平昌冬季五輪フィギュアスケート女子の金メダリスト、ロシアのアリーナ・ザギトワ選手（１５）が７日、モスクワのクレムリンで行われたプーチン大統領の就任式に招かれた。その際の写真を自身の写真共有アプリ「インスタグラム」にアップしたところ、批判コメントが殺到する騒ぎとなった。同国のスポーツ紙「ソビエツキー・スポルト」（電子版）などが伝えた。
写真は、同様に就任式に出席した女性コーチのエテリ・トゥトベリゼさんと大統領が宣誓した演台前で笑顔で並んでいる様子を写したものだが、折しも、ともにトゥトベリゼさんの元でスケートを学んだエフゲニア・メドベージェワ選手（１８）がトゥトベリゼさんとの関係を解消したことが明らかになったばかり。このような「当てこすり」は許されないなどと、ザギトワさんを批判する多くのコメントが寄せられたという。
メドベージェワ選手との関係解消について、トゥトベリゼさんはザギトワ選手を巡る確執が原因となったことをほのめかしており、メドベージェワさんを追い出したとも受け止められている２人が仲良く写った写真を掲載することへの反発が背景にあるとみられる。
一方で、９万以上の「いいね」が付いたほか、「アリーナ（ザギトワ）とは何の関係もないこと。彼女は自分のインスタグラムに写真をアップしただけ」などとザギトワ選手を擁護する意見も多数あった。逆に「メドベージェワは裏切り者。トゥトベリゼさんのライバルであるカナダのコーチの元に行くなんて、背中からナイフを刺すようなものだ」と、批判をメドベージェワ選手に向けるコメントも。
ロシア紙「イズベスチヤ」（電子版）によると、多くの優秀なスケーターを育てたロシアの名コーチ、ビクトル・クドリャフツェフさんは「ザギトワ選手とトゥトベリゼさんの関係解消を悲劇的に扱う必要はない。皆が競技で成功するよう願うべきだ」と述べるなど、関係する選手やコーチが、この件をスキャンダルなものにしないよう求めている。
ニュースサイト「ガゼータ・ルー」によると、大統領就任式にはメドベージェワさんの出席予定はなかったという。 （共同通信＝太田清）
