阪神史上103人目の「4番」 陽川尚将は次の「ミスタータイガース」候補!?

阪神・陽川尚将【写真:荒川祐史】

82年間で103人が「猛虎の4番」、最も出場数が多いのは3代目の藤村富美男

 阪神は、7月1日から陽川尚将を4番に抜擢している。陽川は1936年以来、讀賣ジャイアンツなどと覇権を争ってきた名門・阪神の103人目の「4番打者」になる。

 今季は、開幕から新外国人ウィリン・ロサリオを4番で起用していたが、これが102人目。ロサリオの後、前年までに4番を経験していた福留孝介、糸井嘉男、原口文仁が4番に座ったものの、糸井が死球禍で登録抹消された後に、陽川が抜擢された。

 阪神の初代4番打者は、1936年4月29日、甲子園球場で行われた金鯱戦に「4番・一塁」で出場した松木謙治郎。阪神の初代主将であり、指導者、解説者としても長く活躍した。野球殿堂入りしている。ここから82年間で103人が「猛虎の4番」を張った。

「阪神の4番」試合数20傑。スタメンでの出場のみ。()は4番での初出場年月日。打撃成績は4番でのもの。※は現役

1、藤村富美男 3人目(1936.05.17)
1070試4141打1288安194本874点73盗 打率.311

2、金本知憲 89人目(2003.08.09)
921試3430打1002安187本655点23盗 打率.292

3、田淵幸一 43人目(1970.04.26)
812試2847打778安248本577点9盗 打率.273

4、掛布雅之 52人目(1977.07.18)
800試2898打840安188本553点20盗 打率.290

5、遠井吾郎 31人目(1960.04.17)
525試1842打508安56本247点14盗 打率.276

6、藤本勝巳 29人目(1958.05.01)
518試1868打496安65本268点15盗 打率.266

7、オマリー 65人目(1991.04.14)
387試1364打433安57本247点5盗 打率.317

8、新井貴浩 90人目(2010.04.18)※(現広島)
318試1245打348安36本218点11盗 打率.280

9、岡田彰布 59人目(1984.08.14)
316試1157打289安52本176点24盗 打率.250

10、ゴメス 95人目(2014.03.28)
306試1129打312安45本191点2盗 打率.276

11、桧山進次郎 73人目(1995.07.29)
301試1129打286安37本168点10盗 打率.253

12、田宮謙次郎 21人目(1954.10.13)
271試977打308安24本124点68盗 打率.315

13、山内一弘 37人目(1964.03.21)
252試910打226安46本143点10盗 打率.248

14、景浦將 2人目(1936.05.03)
226試821打226安17本164点19盗 打率.275

15、福留孝介 96人目(2015.09.03)※
216試769打222安22本102点1盗 打率.289

16、ラインバック 51人目(1976.10.15)
205試737打231安36本122点8盗 打率.313

17、カークランド 41人目(1968.04.06)
193試725打185安46本112点3盗 打率.255

18、土井垣武 13人目(1941.04.22)
162試611打157安3本57点12盗 打率.257

19、新庄剛志 69人目(1993.10.01)
142試560打146安28本87点14盗 打率.261

20、マートン 91人目(2011.07.07)
120試474打145安14本69点5盗 打率.306

大阪出身の陽川、4番で長く活躍すれば「ミスタータイガース」も!?

 1位は初代ミスタータイガースの藤村冨美男。戦前から名三塁手として活躍、猛虎打線の象徴的な存在だった。2位には現監督の金本知憲。広島からFA移籍したが、不動の4番打者になった。「兄貴」とよばれ、信頼感は絶大だった。

 3位の田淵幸一、4位の掛布雅之もともにミスタータイガースとよばれた昭和の名選手だ。500試合以上4番に座ったのは、この4人に加えてサングラスで知られた一塁手の遠井吾郎、長嶋茂雄と本塁打王争いをした外野手の藤本勝巳。現役では金本同様、広島から移籍した新井が8位だが、今は広島に復帰。福留孝介が15位につけている。なお、新井貴浩の弟の新井良太も54試合4番に座っている。

 阪神は、他球団から移籍して4番を張った選手が多い。金本、新井、福留に加え、山内一弘も大毎から移籍した。また、外国人選手が多いのも特徴だ。1985年の優勝の立役者となったランディ・バースは22位の92試合4番を打って、31本塁打、打率.345をマークしている。

 陽川は大阪市出身。金光大阪高から東京農大を経て2013年ドラフト3位で阪神入団。2016年から1軍でプレーしているが、これまでは代打が多かった。

 地元の大阪出身で、4番で長く活躍すれば「ミスタータイガース」の称号もついてくるだろう。7月8日時点で打率.337、3本塁打と打撃好調な陽川だが、「ミスター」の称号を手にすることができるだろうか?

(Full-Count編集部)

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