水産物加工、鮮魚販売を手掛ける太洋産業(株)が民事再生法の適用を申請

 太洋産業(株)(TSR企業コード:291081398、法人番号:7402701000157、中央区築地6-16-1、登記上:岩手県大船渡市大船渡町字野々田5-1、設立昭和19年10月、資本金1億円、松岡章社長)は7月9日、東京地裁へ民事再生法の適用を申請し同日、監督命令を受けた。申請代理人は加藤寛史弁護士(阿部・井窪・片山法律事務所、中央区八重洲2-8-7、電話03-3273-2600)ほか。監督委員には鶴巻暁弁護士(上條・鶴巻法律事務所、千代田区神田小川町2-2-8、電話03-5577-8236)が選任された。
 負債総額は約49億円。うち金融債務は約44億円。

 「タイサン」ブランドで知られる塩干物や生鮮魚の加工販売業者。イクラやタラコなどを主体に、秋刀魚や生鮭などの鮮冷魚、鮭フレークなどの水産加工品も扱い、昭和57年12月期には売上高330億1589万円をあげていた。釧路工場や根室工場、大船渡工場の生産体制を強化していたが、平成23年3月の東日本大震災で、大船渡工場が津波により被災し全壊。このため、24年3月期は売上高73億7252万円にまで落ち込み、以降も売上高は一進一退の推移を余儀なくされた。
 近年は秋刀魚の漁獲量が減少したことで利益が減少し、経常利益ベースでは22年3月期から29年3月期まで8期連続の赤字と苦戦が続き、復興補助金などの活用で資金繰りを維持していた。29年3月期は子会社の売却など再編を進めていたが、主力製品の秋刀魚の記録的な不漁が続き、原材料の仕入が激減したため、自力での再建を断念した。
 なお、太洋産業は「スポンサーの支援を得て事業を継続したい」と説明している。債権者説明会は7月12日(木)、午後1時30分からCIVI研修センター日本橋(東京都中央区)で開催予定。a

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