消費者金融の(株)連専が破産開始決定

 (株)連専(TSR企業コード:610093509、法人番号:6170001003574、和歌山市屋形町2-10、設立昭和35年9月、資本金9048万円、萩高明社長)は6月29日、大阪地裁より破産開始決定を受けた。破産管財人には印藤弘二弁護士(はばたき綜合法律事務所、大阪市北区西天満4-8-17)が選任された。なお、破産管財人室コールセンター(電話073-422-4147、受付時間:午前9時から午後5時まで(土日祝日を除く))が設置されている。
 負債総額は88億9255万円。

 和歌山連合専門店(協)(TSR企業コード:610057162、和歌山市)の組合員の割賦購入などを斡旋する目的で設立。県内唯一の総合信販会社「連専」として地元では周知された業者で、信販業務に加えて消費者向け貸金業や結婚式場の運営などを行い、平成5年3月期には売上高約18億6000万円を計上していた。
 しかし、バブル景気の崩壊などで加盟店や加入者が伸び悩むなか、18年12月に成立した貸金業法改正による過払い金返還請求が頻発し、19年3月期には過払金返還引当金を特別損失計上したことで1億9661万円の赤字を計上した。その後も赤字計上が常態化し、20年3月期には冠婚事業をグループ企業へ譲渡。26年2月には消費者金融事業の新規融資を廃止し、12月にはクレジットカードの取り扱い、27年3月末にはギフトカードの販売も終了し、消費者金融業務の回収のみを行う状態となり、29年3月期は売上高が3338万円まで落ち込み、3億6021万円の赤字となった。
 不動産売却により金融債務の圧縮などを続けていたが、過払い金返還請求問題を全て解決することが困難と判断し事業継続を断念、今回の措置となった。

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