物材機構、一酸化炭素を効率除去する触媒開発 酸化鉄と金を活用

 物質・材料研究機構は有害な一酸化炭素(CO)を室温で効率よく除去できる新しい触媒を開発したと発表した。新触媒は酸化鉄に金を分散させた微粒子で、市販の触媒の5倍以上の除去率を実現した。喫煙室の空気清浄機フィルターなどでの活用が期待される。

 首都大学東京、NBCメッシュテックと共同開発した。ナノメートルサイズの金の粒子はCOを吸着する触媒機能を持つことが知られている。しかし、金粒子は凝集しやすい性質があり、単独使用では本来の機能の発揮が難しかった。

 新触媒は金の粒子を、ナノフレーク状の酸化鉄に担持させるハイブリッド構造。この構造により、効率的なCO除去が可能となった。金粒子に吸着されたCOは酸素と結びつき、二酸化炭素となって無害化される。

 新触媒は少なくとも1カ月以上にわたり活性状態が持続する。プラズマ処理でより長期に使用できることも確かめた。

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