駆け込みトレード続出 大幅戦力アップにつなげた勝者5球団をMLB公式が選出

ヤンキースのアーロン・ブーン監督【写真:Getty Images】

田中将大擁するヤンキースは先発・救援を強化

 メジャーでは現地7月31日にウエーバー手続きを経ないトレード期限を迎え、最後の最後で駆け込みトレードが続出した。今季プレーオフ進出、そしてワールドシリーズ優勝を狙うチームは戦力補強に、来季以降のチーム編成に切り替えたチームは主力放出に踏み切ったが、その中でも“賢い”トレードを実行できたのはどのチームだったのか。MLB公式サイトでは「デッドラインの勝者5球団」と題した特集を組み、理想的な補強ができたチームを紹介している。

 筆頭に挙げられたのは、田中将大投手を擁するヤンキースだ。オリオールズから左腕ブリトン、ブルージェイズから同じく左腕ハップ、ツインズからは右腕リンを獲得し、先発と救援を同時に補強。寸評では「ヤンキースの誇るリーグ最高のブルペンは、歴史的に見ても偉大なものになった。ハップとリンは優秀なローテーションの層を厚くする」と高く評価している。

 続いては、今季驚きの健闘を見せているブレーブスだ。レイズから左腕ベンターズ、オリオールズからオデイ、ブラック、ガウスマンの右腕トリオを獲得し、こちらも投手力のアップを図った。記事では「アンソポロスGMはチームのトップ10有望株を1人も手放さずに補強に成功した」と、今季のプレーオフ進出の可能性を高めながらも、若手を手放さなかった“商才”を称えた。

 3番目に登場するのは、トレード市場の目玉だった先発右腕アーチャーを獲得したパイレーツだ。地区首位カブスとは7ゲーム差あるが、ワイルドカード争いで2位に4ゲーム差につけるパイレーツは、レンジャーズの守護神ケラも獲得。「チームに今季は勝てると信じているとメッセージを送った」と指摘している。

 4番手には、元巨人の助っ人ゲイブ・キャプラー監督が率いるフィリーズが登場。レイズから捕手ラモス、メッツから内野手カブレラ、ブルージェイズから左腕ループを獲得したが、ブレーブスのように主な若手有望株を放出せずに済んだことを評価されている。

 最後に名前が上がったのは、平野佳寿を擁するダイヤモンドバックス。前半戦に大車輪の活躍だったブラッドリーとボックスバーガー、平野に加え、レンジャーズから左腕ディークマン、マーリンズから右腕ジグラー、レイズから右腕アンドリースを獲得。「苦しいひと月を過ごしたブルペンを助けるだろう」としている。

 高い評価を受けた5チームは、思惑通りプレーオフに進出し、ワールドシリーズ優勝へこぎ着けることができるのか。注目だ。(Full-Count編集部)

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