【朝日工業・村上社長が会見】合同製鉄によるTOB賛同 「事業強化の加速、〝次の一手〟が必要と判断」/「合同は相当な補完関係見込めるベストパートナー」

 朝日工業(社長・村上政徳氏)は6日、合同製鉄によるTOB賛同について説明会を都内で開いた。村上社長は鉄骨造へのシフトなど鉄筋棒鋼を巡る事業環境の悪さについて「全て最悪の状態だが、これは必ずしも一過性のものではない。今後も変わらない構造変化だと考えている」と事業の将来性への危機感を改めて強調した。その上で、同社が進める高強度・太径鉄筋やネジ節鉄筋、構造用鋼を強化する取り組みは「1社では思う様に進まない。構造が変化した以上、次の一手を打って取り組みを加速する必要があると判断した」とTOB賛同の意図を説明した。

会見する村上朝日工業社長

 合同製鉄を選んだ理由については「お互いに相当な補完関係が見込めるベストパートナーだ」とし、具体的には(1)関東市場の競争力強化と(2)ネジ節鉄筋の販売推進、(3)構造用鋼(特殊鋼)分野での協業を挙げた。合同製鉄はネジ節鉄筋を製造していないため「様々なサポートが得られる」ほか、特殊鋼に関しては合鉄・姫路は製鋼、朝日工業は圧延技術に強味をもつとした。「両者を組み合わせることでかなり様々なことが出来る素地になる」。また、合同は太物、朝日は細物という住み分けもできる考えを示した。

 また、農業事業は分離せずに継続することを前提にしているとした。埼玉工場の閉鎖する考えについては「全くない。むしろ、その考えがあるならTOBには賛同しない」と否定した。

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