福岡の創業90年の老舗生麩製造業者、(株)シバタほか1社が破産

 (株)シバタ(TSR企業コード:870171224、法人番号:5290001005270、福岡市早良区野芥4-47-5、設立昭和48年12月、資本金5000万円、柴田健治社長)と、関連の(有)紅葉食品(TSR企業コード:028541227、法人番号:8290002006736、福岡市城南区大字東油山515-30、設立昭和62年7月、資本金4000万円、矢野眞美社長)は8月6日、福岡地裁に破産を申請し同日、開始決定を受けた。破産管財人には平岩みゆき弁護士(けやき通り法律事務所、福岡市中央区警固2-18-7-301、電話092-712-0266)が選任された。
 負債総額はシバタが約5億5000万円、紅葉食品が約7800万円で、合計約6億2800万円。

 昭和3年焼麩製造業として創業し、40年に生麩製造、工業糊加工を開始した。54年10月には海産珍味の加工にも参入し、東南アジアなどとの海外との取引も活発化させた。
 生麩の生産高は全国でも有数の規模を誇っていた。販売先は九州地区内が20%程度で、多くは関東・関西地区の商社や割烹旅館、料亭、ホテルなどに営業基盤を形成。バブル期は連続で高額所得法人として公示されるなど、堅調な業績推移を辿り、ピークの平成4年7月期には売上高14億4849万円をあげていた。
 バブル崩壊後は、割烹旅館や料亭向けの受注が大幅に落ち込み、以降は減収傾向で推移。21年7月期の売上高は約5億6000万円にまで落ち込んでいた。このような中、過去の設備投資による借入負担が重荷となり、再生支援協議会へ支援を要請。金融機関への返済猶予などで凌ぐ一方、近年は採算性の低い取引先の選別などで利益率の向上に努めていたが業況は改善せず、今回の措置となった。
 紅葉食品は海産物加工品、生麩の卸売を手掛けていたが、シバタに連鎖した。

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