酒気帯び事故前に4軒はしご 横須賀市、職員を懲戒免職

 酒気帯び運転で人身事故を起こしたとして6月に逮捕・起訴された神奈川県横須賀市土木部河川課主任の被告の男(41)が事故前、飲食店4軒をはしごし、約6時間でハイボールなど11杯を飲んでいたことが8日、市の調査で分かった。市は同日、被告を同日付で懲戒免職処分にした、と発表した。

 市によると、被告は事故当日、午後3時45分から有給休暇を取得。同4時20分から同10時過ぎまで市内の飲食店4軒で酒を飲んだ。うち2、3軒目は同僚職員も同席したが、職員は「(被告が)車で来ているのを知らなかった」と説明しているという。

 被告の呼気からは、酒気帯び運転の基準値(呼気1リットル当たり0・15ミリグラム)を大きく上回る0・7ミリグラムのアルコールが検出された。被告は「かなり酔っていたのでつい乗ってしまった」と釈明したという。

 8日に会見した藤井孝生市総務部長は「市民の信頼を損ない、申し訳ない。このような事故が二度と起きないよう、法令順守を徹底したい」と謝罪した。

 起訴状などによると、被告は6月8日夜、酒気を帯びた状態で乗用車を運転。同市上町3丁目の県道で停車中のバスに追突、乗客3人に軽傷を負わせた。

 横須賀署は道交法違反(酒気帯び運転)容疑で現行犯逮捕したが、横浜地検横須賀支部は「アルコールの影響で運転操作が困難な状態だった」と判断し、より量刑の重い自動車運転処罰法違反(危険運転致傷)の罪で起訴した。

横須賀市役所

© 株式会社神奈川新聞社