新日鉄住金・インドネシアブリキ合弁「ラティヌサ」、フル生産続く 国内シェア65%、18年生産過去最高目指す

 【インドネシア・チレゴン発=一柳朋紀】新日鉄住金のインドネシアにおけるブリキ合弁のラティヌサ(バンデン州チレゴン・クラカタウ工業団地内、アーディマン社長、延壽寺政昭副社長)は今年もフル生産が続く見通しだ。能力増強を進めており、過去最高の生産量を目指したい考え。

 新日鉄住金が買収後に設備増強・更新し、2013年から年間14万トン台中心のフル生産が続いている。生産能力16万トンとなっており、これを達成するのが目標だ。

 ラティヌサは新日鉄住金が35%出資(三井物産、日鉄住金物産、メタルワンを合わせた日本コンソーシアムが55%)、クラカタウが20%出資の上場企業。日本人が10人出向(うち技術系社員が8人、三井から1人)している。設立は1982年(操業開始は86年)でブリキを製造販売。ブリキライン1基、シャーライン2基を保有する。

 09年に新日鉄住金がクラカタウ・スチールから買収し、10年から本格的に新日鉄住金グループとなった。新日鉄住金グループとしてチレゴン地区進出の初案件。国内唯一のブリキミルで国内シェアは約65%。食缶向けが67%を占め、残りは一般缶。

 原板ソースは主に新日鉄住金主体の日本ミルで日本材トータル約65%。その他中国、台湾材含めて全量輸入。以前はクラカタウからも購入していた。

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