アルコニックス、富士カーボン製造所を買収 取得金額は82億円、モーター市場に参入

 アルコニックス(社長・竹井正人氏)は7日、炭素製品などを手掛ける富士カーボン製造所(本社・愛知家南城市、社長・谷口静哉氏)を買収すると発表した。中間持ち株会社を12月に設立した上で、創業家などから来年2月をめどに全株式を取得。デューデリジェンス費用なども含め、取得金額は81億5千万円。小型モーターの基幹部品であるカーボンブラシで独自ノウハウと技術を持つ同社を子会社とし、既存の海外ビジネスなどでのシナジー発揮を目指す。

 富士カーボンは電動工具や自動車など幅広い分野の小型モーターに使用されるカーボンブラシを製造するメーカーで、安城市や浜松市に工場を持つほか中国(昆山・広州)と台湾、ベトナムに生産拠点、インドには駐在員事務所を置く。海外拠点を含め、グループ全体で従業員は約900人に上る。2017年12月期業績は売上高65億6700万円、営業利益6億円。

 アルコニックスはこれまでに国内外で6社のメーカーを買収しており、業績向上に向けてさらなるM&Aを検討していた。アルコニックスは技術力を持つことや海外展開に注力している富士カーボンの買収で、シナジーの創出や企業価値の向上を図れると判断し、子会社化を決めた。

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