チーム防御率は1位でも3.56、2球団が4点台 リリーフ陣の不調が目立つパ球団

オリックス・増井浩俊【写真:荒川祐史】

最近5年間のリーグトップは全て3点台前半、今季はリリーフ陣の不調が響く

 日本全国で連日のように猛暑が続いている。プロ野球界でも猛暑の影響があるのか、大味の試合が目立っており、チーム防御率を見てもその傾向が顕著だ。現在、パ・リーグのチーム防御率1位は3.56の日本ハム。チーム防御率4点台を記録する球団が西武(4.42)、ソフトバンク(4.28)と2球団ある。

◯最近5年間のチーム防御率トップのパ・リーグ球団
2013年 3.31 オリックス
2014年 2.89 オリックス
2015年 3.16 ソフトバンク
2016年 3.06 日本ハム
2017年 3.22 ソフトバンク

 最近5年間のチーム防御率トップのパ球団を見ると、全て3点台前半。防御率3.50以上の球団がチーム防御率トップに立つということはなかった。それだけ、今年はパ・リーグ各球団の投手陣が苦戦していることが分かる。

 またチーム防御率4点台を記録した球団が2球団以上あったケースは、2016年の楽天(4.11)、オリックス(4.18)のみ。その他のシーズンは、チーム防御率最下位の球団も3点台に抑えている。

 各球団の投手陣が苦戦している背景に、リリーフ陣の不調という原因があるのではないだろうか。ここまでの登板数10傑を見てみても防御率1点台を記録している投手はソフトバンク・嘉弥真新也投手の1.33のみ。防御率2点台が4人、防御率3点台が4人、防御率4点台と5点台が1人ずつとなっている。

 リリーフ陣の不振もあり逆転ゲームが例年に比べて多い印象だ。8月1日の日本ハム対ロッテ戦では、ロッテが8回表まで7-1でリードしていたが、8回と9回に7点を失い最終的に7-8で敗戦。8月2日のオリックス対楽天戦では、2-1の9回にオリックスの守護神・増井浩俊投手が楽天の田中和基外野手、茂木栄五郎内野手に連続適時打を打たれて逆転負け。各チームで確実に逃げ切れるリレーが展開できていない。

 セ・リーグもチーム防御率トップが巨人の3.84と、プロ野球界全体で投手陣がお疲れ気味。今年の暑さに一般人だけでなく、投手陣もやられているようだ。

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