開門派漁業者 上告 諫干請求異議訴訟 国勝訴に不服

 国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門の開門を命じた確定判決を巡り、国が開門を強制しないよう漁業者に求めた請求異議訴訟控訴審で、開門派漁業者側は10日、国の請求を認めた福岡高裁判決を不服として最高裁に上告した。
 開門問題を巡り、漁業者側が上告したのは第1次開門請求訴訟控訴審(2015年)、開門を差し止めた長崎地裁判決に対する独立当事者参加申し立て却下(今年3月)に続き3件目。
 判決は7月30日、国の請求を認め、確定している開門命令を事実上無効とし、国が漁業者側に支払っている間接強制金を停止した。判決理由で「漁業者の開門請求権の前提となる共同漁業権(期間10年)が13年8月末で消滅し、それ以降の漁業権と同一ではない」とした。
 上告したのは島原市や佐賀県太良町の開門確定判決の原告51人のうち48人。漁業者側弁護団は「漁業の実態を無視した不当判決。最高裁で勝訴を目指す」とのコメントを出した。
 農林水産省によると、7月30日までに支払った間接強制金は12億3030万円。判決が確定し、返還を求める場合、新たな民事訴訟を起こす必要がある。

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