【高校野球】木更津総合、日大三と関東勢が3回戦へ 創志学園の2年生右腕・西は無念の敗退

大会第11日目、下関国際・木更津総合・日大三・龍谷大平安が3回戦進出を決めた

龍谷大平安は猛爆17安打、つないで14点大勝

 第100回全国高等学校野球選手権記念大会第11日は15日、4試合が行われた。第1試合では、創志学園の好投手・西がMAX148キロを出したものの、9四死球と制球に苦しみ、2点リードの9回に崩れて3点を失って4-5で下関国際(山口)に逆転負けした。木更津総合(東千葉)、日大三(西東京)の関東勢は、安定した戦いぶりで3回戦へ。第4試合では、龍谷大平安(京都)が八戸学院光星(青森)を14-1で下し、甲子園春夏通算101勝目を挙げた。

〇下関国際(山口)5-4創志学園(岡山)

 下関国際は、ゲームプランが最後の最後でうまくはまった。打席で粘って西に球数を投げさせる作戦で、投球数は実に179球。西にとっては、これだけの大舞台で、雨中の投球、相手の待球戦法とあまり経験がないであろう状況が重なり、次第に追いつめられていった。

 2年生エースのキャリアの浅さが出てしまった敗戦とも言えるが、マウンドで苦しい表情を見せる西に対し、上級生が何度も声をかけ、敗戦後も泣きじゃくる後輩に「また来年ここに来い」と言っていたシーンは、西に対する信頼感の厚さを象徴している。甲子園を後にした逸材だが、来年どんな成長を見せるかが楽しみでもある。

〇木更津総合(東千葉)7-0興南(沖縄)

 木更津総合で目を引いたのは、エース野尻をリリーフした2年生右腕・根本。1回戦と同じく、8回途中からの登板だったが、初球から146キロをマークし、最速149キロ。おそらく始めから全力で飛ばすタイプと思われ、東千葉大会でも、大半がクローザー役。1年生にも篠木という有望な投手がおり、前評判以上に投手陣は強力だ。

 とはいえ、野尻への信頼度は絶大だけに、今後の試合でも他の投手の先発は考えにくい。野尻自身もまだ余力はあると思われるが、試合間隔が詰まってくるだけに、競った試合展開になった際は根本への継投のタイミングがポイントになってくるのではないだろうか。

日大三は救援左腕の河村が安定感を見せる

〇日大三(西東京)8-4奈良大付(奈良)

 日大三は救援左腕・河村がこの日も存在感を見せた。西東京大会でも登板した5投手の中で最長の26回1/3を投げ、甲子園での2試合でも、先発投手より長いイニングを投げている。河村が控えているからこそ、先発投手が序盤から飛ばしていけるし、打線も早い回から点を取って優位な状況を作れる。

 ただ、気がかりなのが、河村が1回戦の折尾愛真戦、この試合と、走者を置いて一発を許していること。いずれも大きなリードを奪っている状況だったが、接戦での一発は致命傷になりかねない。自慢の打撃も力を発揮しているだけに、今後は投手を含め守備面をどれだけ引き締めていけるか。

〇龍谷大平安(京都)14-1八戸学院光星(青森)

 龍谷大平安は、17安打を放った打線もさることながら、この試合で5つの犠打を決めた。安打数と点数にそれほど差がないのは、得点圏に走者を進めては適時打が出るといういいサイクルを作ったから。この手堅さは、日大三との対戦でも生きてきそうだ。

 そして17安打中、14本が単打(二塁打3本)。1回戦の鳥取城北(鳥取)戦も7安打中6安打が単打(三塁打1本)。計21安打中17安打がシングルヒットと、つなぐ攻撃が身上であることを、甲子園での2試合で見せた。日大三は本塁打を打つ長打力が看板。同じ強打といってもかなり違う色彩の対決になりそうだ。(Full-Count編集部)

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