今季初優勝の石浦、「パドルシフトにトラブルが出ていた」/スーパーフォーミュラ第5戦決勝トップ3会見

 全日本スーパーフォーミュラ選手権第5戦の決勝レースが8月19日、ツインリンクもてぎで行われた。トップ3に入った3選手、石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)、平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)、ニック・キャシディ(KONDO RACING)、そして優勝チーム監督の立川祐路氏が会見に登場し、レースを振り返った。

■石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)/決勝 優勝

石浦宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)

「スタートさえ決めれば、いいペースで逃げられると思っていて、予定どおりスタートは決められました。ただ、オーバーテイクボタンをすぐに押したので、それが切れるタイミングと、松下(信治)選手がオーバーテイクボタンを押したタイミングが重なって、僕の(オーバーテイクボタンの効果)が切れている間に松下選手に使われてしまったんです」

「5コーナーでインを開けたのは自分の判断ミスです。予定外にポジションを下げてしまいました。正直、苦しい展開でしたね。何度か松下選手のタイヤが落ちてきたときに仕掛けようとしましたが、タイヤが一気にヒートするのを感じたので、タイヤを守って勝負する方向に切り替えました」

「そうしたら急激に向こうもペースが落ちてピットに入ったので、そこからは全力で飛ばしました。そのあと、無線で後ろから平川(亮)選手が来てるというのを聞いて。飛ばした後に楽なレースになったらうれしいと思っていたけど、そうはなりませんでしたね」

「でも、監督から『(平川選手と)同じ条件だよ』と教えてもらって、同じ条件なら追い付かれてもなんとかなる自信があったので、そこからは自分のペースで走りました」

「このレースでは、序盤からパドルシフトにトラブルが出ていました。何度かシフトダウンできなかったんです。全力で逃げている最中のバックストレートでシフトアップができず、1分38秒くらいまでペースが落ちてしまいました。『このレースはもう終わりかな』と思ったけれど、奇跡的に動くようになったんです。最後は少しヒヤヒヤしたけど、予定どおり勝ててほっとしています」

「チャンピオンシップの流れを考えても、もてぎは絶対に取らないといけないと思いました。(次戦)岡山でリードしないと、鈴鹿勝負になったとき、山本(尚貴)選手は鈴鹿が速いですからね。そういう流れを考えたとき、このもてぎラウンドが非常に大事だったんです」

■立川祐路(JMS P.MU/CERUMO・INGING)監督

立川祐路監督(JMS P.MU/CERUMO・INGING)

「今回は正念場だという思いでレースに臨みました。今日は全体的に見れば、完ぺきなレースだったと思います。ピットインのタイミングなど、何度か難しい選択もありましたけれど、問題がなければ勝てるなと思っていました」

「石浦選手も言っていたとおり、途中、バックストレートで失速しました。ギヤが入らないという無線も入っていたし、モニター上でもそれを確認しました。『今日はもう運がなかったかな』とヒヤッとしましたが、最後まで持ってくれた。不安はそれだけでしたね」

■平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)/決勝 2位

平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)

「昨日の予選では僕のミスがあってQ3に進めなくて、悔しい思いをしました。予選が終わった時点で、2ストップは決めていたんです。チームとは2ストップのいろいろな作戦を考えていました」

「(レースでは)オーバーテイクもうまくいきましたね。関口(雄飛)選手や何人かのドライバーが譲ってくれたりもしたので、いいペースで走ることができました」

「3スティント目では勝負できないことはわかっていたので、1スティント目と2スティント目で全力を出し石浦選手に追い付こうと思っていたのですが、最後は静かな終わりになってしまいましたね」

「レース自体は、今年初めて『レースをした』という感じがします。走っているときはすごく気持ちがよかったです。次の(第6戦)岡山は僕もチームも得意としています。予選から前につけて、逃げ切るレースをしたいですね」

■ニック・キャシディ(KONDO RACING)/決勝 3位

ニック・キャシディ(KONDO RACING)

「3位はがっかりだけど、ハッピーでもあるよ。バースデーにポディウムにあがれてうれしい(注:8月19日はキャシディの誕生日)。両方のチャンピオンシップ、スーパーGTとスーパーフォーミュラで上位につけることができてうれしいよ。24歳でそうした状況のなかにいられることを誇りに思っているんだ」

「今回のレースは完ぺきじゃなかったね。アンラッキーなところもあったよ。これまでの3レース振り返っても、チームとのやり取りなどがよくなってきた。クルマのセットアップを含めてね。ふたつめのストレートで山本(尚貴)が出てきて、不思議な動きで仕掛けてきたのにはびっくりしたよ。僕はこうした動きをホンダ・パワー・オブ・ドリームと呼んでいるんだけど(笑)」

「僕はミディアムでスタートした。ただ、途中ミディアムに不満を感じてピットインしたいと伝えていたのだけど、ピットからは『ノー、待ちなさい』と言われてしまったんだ。その後、ソフトタイヤに履き替えて、アウトラップはすごくよかったよ」

「ただ、チームとのやりとりがうまくいかなかったんだ。コミュニケーション不足なところがあったので改善しなければいけないと思う」

「ポジションはずっと2番手だと思っていた。チームに聞いてもすぐに無線が返ってこなくて、タワーのラップタイムを見たりしていたから、後ろのことはあまりわかっていなかった。チームとのコミュニケーションが足りなかったね」

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