豊田章男社長、WRC連勝を喜ぶも「安心して全力で走れるクルマをつくる責任果たせていない」

 8月16~19日に行われたWRC世界ラリー選手権第9戦ドイチェランドを制したTOYOTA GAZOO Racing WRT。前戦フィンランドからの2連勝に対し、TOYOTA GAZOO Racing WRT総代表であるトヨタ自動車の豊田章男社長がコメントを発表した。

 フルターマック(舗装路)イベントとして行われたラリー・ドイチェランドでは、前戦フィンランドを制して波に乗るオット・タナク(トヨタ・ヤリスWRC)が競技初日から総合首位を奪うと、そのままトップを譲らずに快走。

 最終的にタナクは39.2秒のギャップを作って、2018年シーズン3勝目を挙げるとともに、トヨタにWRC復帰後、初めてのターマック戦制覇をもたらした。

第9戦ドイチェランドでトヨタはWRC復帰後初のターマック戦制覇となった

 また総合3位には若手のエサペッカ・ラッピ(トヨタ・ヤリスWRC)が食い込み、トヨタは2戦連続でふたりのドライバーを表彰台に送り込んでいる。

この活躍に対し、豊田社長は「週末、ドイツで行われた世界ラリー選手権で(オット)タナク選手、(コドライバーのマルティン)ヤルベオヤ選手組が優勝し、フィンランドに続く2連勝を果たしてくれました」と祝福のコメントを発表している。

「加えて、フィンランドでは悔しい想いをした(エサペッカ)ラッピ選手、(コドライバーのヤンネ)フェルム選手組が3位表彰台に立ち、TOYOTA GAZOO Racing WRTとしては2戦連続での1-3フィニッシュとなりました」

「ヤリスWRCのエンジンは、ドイツにあるTMG(Toyota Motorsport GmbH)でつくられています」

「その設計・開発に携わる関係者が見守る地ドイツでドライバー達がポディウムに立った姿は、私にとっても、とても嬉しく、感動的なシーンとなりました」

「感動的な週末に導いてくれたチームのみんな、本当にありがとう」

 表彰台を獲得したドライバーとチームを祝福した一方、僅差の総合2位争いを繰り広げながら、競技最終日にマシントラブルからリタイアしたヤリ-マティ・ラトバラ(トヨタ・ヤリスWRC)についても「一方で、悔しい想いもありました」と言及している。

「(ヤリ-マティ)ラトバラ選手がマシントラブルにより、ドイツの道を完走できずに終わってしまいました」

「先日、ラトバラ選手は、私に『ヤリスは乗りやすいクルマです』と話してくれました」

「今回も彼は『ヤリスの運転を心底楽しめている』と言ってくれていましたが、マシントラブルで彼のドライブを止めてしまいました。我々はドライバーが安心して全力で走れるクルマをつくる責任があります。しかし、まだ我々には、それが果たせていません」

「この悔しさを、しっかり受けとめもっといいクルマをつくるチャンスに変え、努力していかなければならないと、改めて、強く感じています」

「ドライバーが安心して走りを楽しめるクルマを目指し、今後も戦ってまいります。皆さま、引き続き、応援よろしくお願いいたします」

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