投打のベテランが偉業達成へカウントダウン 「1000」と「2000」が持つ意味

ロッテ・福浦和也と中日・岩瀬仁紀(左から)【写真:荒川祐史】

前人未到の1000試合登板を目指す中日・岩瀬仁紀

 40歳過ぎの超ベテラン選手2人が、大記録の達成を目前にしてシーズン終盤を迎えている。1人目は現役最年長、11月には44歳になる中日、岩瀬仁紀。岩瀬は、史上誰も達成していない「通算1000試合登板」まで、8月22日時点であと「9」に迫っている。

歴代登板数5傑

1岩瀬仁紀991登板(1999-2018)
2米田哲也949登板(1956-1977)
3金田正一944登板(1950-1969)
4梶本隆夫867登板(1954-1973)
5小山正明856登板(1953-1973)

 2位から5位は昭和の大投手。全員が200勝以上を記録し、殿堂入りしている。岩瀬は991登板のうち先発は1試合だけ、990試合は救援登板。2位以下の投手とは投球内容が全く異なっている。今季開幕の時点で、954登板。あと「46」という数字は、決して楽なものではなかったが、ここまで37試合に登板してきた。これはセ・リーグ20位タイの登板数だ。

 37試合に登板し1勝0敗2セーブ、9ホールド、28回、21奪三振、防御率は4.82の成績だが貴重な左の救援投手としてチームに貢献してきた。

月別の投手成績

3、4月 8登板0勝0敗、3ホールド 7.2回5奪三振 防御率0.00
5月 7登板0勝0敗1セーブ、1ホールド 5.1回4奪三振 防御率6.75
6月 7登板0勝0敗2ホールド 5.1回4奪三振 防御率11.81
7月 8登板0勝0敗1ホールド 6.2回5奪三振 防御率1.35
8月 7登板1勝0敗1セーブ、2ホールド 3回3奪三振 防御率9.00

 月によって成績にばらつきがあるが、毎月ホールドを1つ以上あげている。登板数よりもイニング数の方が少なく、ワンポイントでの起用も多いが、現在最下位ながらポストシーズン進出の望みを捨てていない中日にとって、貴重な投手ではある。残り31試合で9登板は微妙な戦ではあるが、可能性は十分にあるだろう。

史上52人目の2000本安打を目指すロッテ・福浦和也

 2人目は、史上52人目の2000本安打まで、あと「11」と迫っている福浦和也。岩瀬仁紀、西武の松井稼頭央に次ぐ3番目の高齢選手だ。今年12月には43歳になる。

現役選手の通算安打数

1新井貴浩(広)2196安打(1999-2018)
2松井稼頭央(西)2088安打(1995-2018)
3阿部慎之助(巨)2070安打(2001-2018)
4鳥谷敬(神)2058安打(2004-2018)
5内川聖一(ソ)2043安打(2001-2018)
6荒木雅博(中)2037安打(1997-2018)
7福浦和也(ロ)1989安打(1997-2018)

 福浦は習志野高校から1993年ドラフト7位で千葉ロッテに入団。地元出身の生え抜き選手として長く活躍してきた。2001年には首位打者、一塁守備の名手としてゴールドグラブ3回、ベストナイン1回の受賞を誇るが、2009年を最後に規定打席に到達していない。

 2000本安打は厳しいかと思われたが、井口資仁新監督の理解もあり、今季も現役を続けている。今季開幕時点ではあと38安打だったが、今季は63試合126打数27安打0本9打点、打率.214を記録。大台突破まであと11本に迫っている。

月間成績

3、4月 24試63打13安0本4点 率.206
5月 9試11打1安0本1点 率.091
6月 8試14打1安0本0点 率.071
7月 16試30打10安0本3点 率.333
8月 6試8打2安0本1点 率.250

 開幕戦は7番指名打者で先発出場し、幸先よく1安打を放った。3、4月はスタメンでの起用も多かったが5、6月は代打中心。ともに1安打しか打てなかったが、7月に入って安打が増え、スタメン起用も増えた。

 あと11安打は全盛期の福浦であれば、なんでもない数字だっただろうが、今は微妙な数字ではある。ロッテも現在、4位でポストシーズン進出に望みをつないでいる。今も球場で福浦の名前がコールされるとひときわ大きな歓声が沸く。福浦が活躍すれば、その可能性は高まるはずだ。

 岩瀬仁紀、福浦和也。野球人生の最後の輝きをかけた「勝負の秋」が始まろうとしている。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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