精密切削加工の中農製作所、ベトナム拠点の設備増強 空圧機器部品などを製造

 ステンレス・アルミニウムなどの精密切削加工を手掛ける中農製作所(本社・大阪府東大阪市、社長・西島大輔氏)は、ベトナム現地法人・NAKANO PRECISION(ベトナム・ホーチミン市内のタンビン工業団地、敷地500平方メートル)の製造設備を増強する。投資額は3千万円。日本製マシニングセンタ2台、日本製NC旋盤を新たに導入し、空圧機器部品などを製造する。

 同社のベトナム進出は2014年6月に駐在員事務所を開設、17年9月に現地で法人化した。NAKANO PRECISIONはこの間、20人体制で地場企業の部品製造・組立・検査などを行ってきた。

 NAKANO PRECISIONの社長、副社長はともにベトナム人のエンジニアで、中農製作所(日本)で6年間勤務、現地法人化にも携わった。

 「NAKANO PRECISIONの幹部や従業員は勤勉で優秀だ。ベトナムでは安価な汎用品を手掛けるのではなく、日本と同様に高付加価値品を生産していく。法人化から1年足らず。ようやく本来の仕事がベトナムでできる」(西島社長)。

 なお、今年3月には本社工場にマシニングセンタ2台(DMG森精機製NV5060、NV5080α1)を新規導入、同時加工での時間短縮かつ加工精度の大幅向上を図った。

 中農製作所は1949年の創業。半導体製造装置やロボットなど20業種超の産業機械部品を製造。同社の強みは「モノづくりのまち」東大阪において約230社で生産ネットワークを構築、高度な加工スキルを持つ技術者による「2直22時間生産体制」などがある。

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