【侍U-18代表】金足農・吉田に“スターの資質” 注目を浴びる今は「私生活を見直すいい機会」

別メニューに調整を行った侍ジャパンU-18・吉田輝星【写真:編集部】

侍U-18の合宿がスタート「すごいプレーヤーたちと一緒にやれて新鮮」

 侍ジャパンU-18代表は、9月3日から宮崎で行われる「第12回 BFA U18アジア選手権」に向けて、25日に東京近郊での合宿をスタートさせた。甲子園で計881球を投げ、エース右腕として金足農を準優勝に導いた右腕・吉田輝星投手は、初日は完全別メニュー調整。甲子園終了後も大きな注目を浴びているが、本人は「私生活を見直すいい機会」と話すなど、自分自身を見失っていない。

 大阪桐蔭の藤原、根尾、報徳学園の小園といった日本代表や国際大会経験者も招集される中、初めて日の丸を背負う吉田。大阪桐蔭打線にKOされた決勝も含めて甲子園で計881球を投げた疲労を考慮され、この日は別メニューでストレッチなどを重点的に行なった。練習後には「日の丸を背負っているという実感はまだないです」と話し、「甲子園で対戦したすごいプレーヤーたちと一緒にやれて新鮮な気持ちです」と初々しさも見せたが、合宿でも注目度はNO1。その一挙手一投足がニュースになる。

 突然、全国区の人気者となった高校3年生。戸惑いがあるのは当然で、天狗になってしまう選手もいるかもしれない。しかし、吉田の言葉からは“スターの資質”が垣間見える。練習後、報道陣から注目を浴びることについてどう感じているかを聞かれた時だ。一瞬の間もあけることなく、口を開いた。

まずは回復が優先も…アジア選手権2連覇へ「少しでも貢献できれば」

「注目されている今、私生活を見直すいい機会だと思います。みんなの手本になれるような行動を心がけたい。成長できると思います。挨拶などをしっかりしたいです」

 1つ1つの行動に注目が集まるからこそ、気付けることもある。そう思える“強さ”が吉田にはある。

 本人は初日から全体練習に参加することを希望していたようだが、永田裕治監督は「東京ではゆっくりさせる」と説明。「あれだけ(甲子園で)投げているので、本人は今日も途中で『やりたい』と言っていたんですけど、こちらがある程度抑えていきたい」と、まずは回復を優先させることを明かした。ただ、アジア選手権では甲子園で実力を存分に見せつけた右腕の力が必要になるはず。本人も「(アジア選手権)2連覇という大きい目標があるので、それに自分の力で少しでも貢献できれば」と静かに闘志を燃やしている。

 練習後には決勝でKOされた大阪桐蔭打線の主軸、藤原と根尾と一緒に取材に応じ、2人の印象を聞かれて「(決勝で)ちょっと打たれたので少し抵抗があったんですけど、話したらすごくいい人たちでした」と話して報道陣の笑いを誘うなど、“トーク”でも非凡な才能を見せた。高校卒業後の進路への注目も集まっているが、まずは日の丸を背負い、アジアの頂点に立つために全力を注ぐ。(Full-Count編集部)

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