新幹線 リレー方式→フルの“先輩” 熊本県に協力要請へ

 県議会の九州新幹線西九州(長崎)ルート整備特別委員会の八江利春委員長らは5日、熊本県と同県議会を訪ね、整備方式が決まっていない新鳥栖-武雄温泉の全線フル規格実現に向けて「共に議論を進めてほしい」と協力を求める。
 熊本県は、九州新幹線鹿児島ルートが鹿児島中央-新八代で2004年に先行して部分開業した際、新八代-博多は在来線特急を乗り継ぐ「リレー方式」を経験した地。11年に鹿児島ルートは全線フルになり、熊本駅周辺は交流人口が増えマンションの開発も進んでいる。
 八江委員長は長崎ルートも22年度の暫定開業時はリレー方式であることを踏まえ「熊本は“先輩”としての経験がある。(全線フルに難色を示す)佐賀県の理解を得るためにも話を聞きたい」と説明。「『九州は一つ』ととらえ、長崎ルート整備促進への協力を求める」としている。5日は熊本県企画振興部幹部や、同県議会の坂田孝志議長と面会する予定という。
 新鳥栖-武雄温泉の整備方式を巡っては、与党検討委員会が7月、全線フルかミニ新幹線に選択肢を絞ったが、佐賀県が費用負担増に難色を示している。

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