<レスリング>男子フリースタイルの全日本チームが東京で合宿スタート、13日から菅平で高地合宿へ

(文・撮影=保高幸子)

選手を激励する富山英明・日本協会常務理事

 10月20~28日にハンガリー・ブダペストで行われる世界選手権に向け、男子フリースタイルの全日本合宿が9月10日、東京・味の素トレーニングセンターで始まった。

 井上謙二・男子フリースタイル強化委員長(自衛隊)は「アジア大会では軽量級も重量級もアタックする姿勢はとてもよかった。ただ、そのあとポイントにつなげられないのが大きな課題の一つ。外国選手は足を触られてからもかなり粘ってくる。その場面でもしっかりポイントを取れるよう、今回の合宿でしっかり練習しよう」と選手たちを鼓舞。「アジア大会の代表は経験を後輩に伝え、世界選手権の代表はしっかり形にできるように持っていってほしい」とも伝えた。

 今回は、1年生王者が多く誕生した先月末の全日本学生選手権の上位選手による学連合宿も合同で行われる。井上委員長も大歓迎で、「覚えている限りでは、ここ3年ほど合同での合宿をやっている。実際に試合した選手にしか分からない経験を若手に伝えて行くことも、合宿の大事な意義。いつもと違うメンバーと練習することでお互いに良い刺激になる」と、若手とベテランが一緒に汗を流すことでの全体の底上げにもつながることを期待した。

世界選手権へ向け、チームを引っ張る高谷惣亮(ALSOK)

 練習前に、全日本学生連盟の藤沢信雄会長(大東大監督)が「2年後の東京オリンピックに向け、来年の世界選手権で出場枠を獲得するためには今が一番大事な時。けがやアクシデントがあればふいになってしまう。気を引き締めて取り組んでほしい」と選手を激励。

 視察に訪れた富山英明・日本協会常務理事(日大監督=UWW理事)も「学生の3番手も参加している。チャンスと思ってほしい。今のトップ選手に1年後に追いつける可能性もある。6年後のオリンピックを目指す、などと言わず、半世紀ぶりに戻ってきた東京オリンピックに出るんだ、という気持ちで真剣にやってほしい」と若手を激励した。

 全日本チームは12日まで味の素トレセンで合宿し、13日の午前に長野・菅平へ移動し、17日まで高地合宿を実施する。

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