「ライコネンは若手にシートを譲るべきだった」と元F1ドライバー

 元F1ドライバーで現在Sky F1で解説者を務めるマーティン・ブランドルが、キミ・ライコネンが2019年以降もF1に残ることは喜ばしいものの、若手にシートを譲るべきだったという思いも強いと、複雑な心境を明かした。

 11日、フェラーリのライコネンが2019年から2年にわたる契約をザウバーと結んだこと、2019年にライコネンに代わってシャルル・ルクレールがフェラーリに昇格し、セバスチャン・ベッテルのチームメイトを務めることが発表された。

 ルクレールのフェラーリ入りはある程度予想されていたことだったが、そうなった場合、ライコネンはF1から引退する可能性が高いと考えられていたため、今年39歳になるライコネンがザウバーに移籍し、少なくともあと2年F1で走るという決断をしたことは、驚きを持って受け止められた。

「F1では今、世代交代が行われつつある」とブランドルはSky Sports Newsにおいて語った。

「(ルクレールがフェラーリに行くという)その動きは理にかなっている。ベッテルを活気づけ、チーム全体を活気づけることになるはずだ。フェラーリは20歳のルクレールに将来のキャリアを用意することができるのだし、そうしなければならない」

■「ライコネンは今年で引退する方が、本人にとっても有望な若手たちにとってもよかったかもしれない」とブランドル

 ライコネンのF1残留は大勢のファンにとって喜ばしいニュースだが、一方で、現在シート探しをしている若手ドライバーたちの選択肢がひとつ減ることになった。ブランドルはその点を指摘する。

「キミについては複雑だ。キミが残ることはうれしい。だが彼には、トップに位置して尊敬されている時に退き、若手にシートを譲ってほしかったという気持ちが強い」とブランドル。

「ライコネンは素晴らしいドライバーであり非常に人気がある。だが、私のなかには、彼には退いてほしかったと思う気持ちがある。現状、大勢の才能ある若いドライバーたちが来年のシートを確保できずにいるからだ」

「その代表がエステバン・オコンだ。ストフェル・バンドーンもいるし、現在F2選手権をリードしているジョージ・ラッセルもいる」

「ライコネンのキャリアの終わりは見えてきた。彼は来年ザウバーに行き、契約を終えるころには41歳になる。驚くべきことだ」

「彼がレースを続けたいという意志を持っていることには感心している。キミがいることはF1にとって素晴らしいことだったし、彼にとってもF1は素晴らしいものだった。だからこそ、このステップが彼にとって余計だったということにならないことを願っている」

「彼はどんなマシンに乗っても才能を発揮できる。イタリアではこれまでで最速のタイムを出してポールポジションを獲得した。つまり彼にはまだ速さがあるということだ。だが、F1に長くいすぎたことを彼が後悔しないことを願うばかりだ」

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