日鉄住金建材、柱梁接合工法「NDコア」を10月出荷から2万5000円上げ

 日鉄住金建材(社長・中川智章氏)は14日、鉄骨建築物の柱(コラム)と梁(H形鋼)の接合工法「ND(ノンダイア)コア」を10月出荷分からトン2万5千円値上げすると発表した。素材や輸送コストの上昇分を転嫁するもので、すでに需要家への通知を開始している。

 「NDコア」は鉄骨造建築物の柱梁接合時に剛性を高めるために必要な柱と梁の間の厚鋼板(ダイアフラム)を不要とし、溶接箇所を従来の半分から3分の1に低減するなど柱梁接合のコストを1~2割抑制できる接合工法。段差梁や傾斜梁にも対応可能で、高い設計の自由度も特長となっている。

 11年にはサイズを拡充するなど適用範囲を拡大。近年の鉄骨加工業界の人手不足を背景に設計者やファブリケーター向けに急速に販売量を伸ばしている。中低層の店舗、住宅、学校、倉庫、病院、福祉施設など幅広い建築用途に幅広く使用され、足元では年間2万個超を販売。09年の販売開始からの累計では10万個を超える採用実績を有する。

 同社ではこれまで普及を目的に販売価格を据え置いてきたが、素材の溝形鋼や山形鋼などに加え、輸送費の上昇でコストが急激に上昇。生産性の向上やコストダウンなどの自助努力では吸収できないレベルとなったことから、安定供給のために値上げに踏み切った。

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