JFE商事鉄鋼建材、スギウラ鉄筋、丸杉、基礎配筋新工法を全国展開 工場先組みで工期半減、人手不足に対応

 JFE商事鉄鋼建材(本社・東京都千代田区、社長・野田恒幸氏、J鉄建)とスギウラ鉄筋(同・愛知県豊明市、同・杉浦令於氏)、丸杉(同・岐阜市、同・杉山忠国氏)の3社は3日、工場で先組みした基礎用のスラブ配筋「ロールマット」の製造販売会社を設立し、同日から営業活動を開始した。現場作業を大幅に削減し、省人化や工期短縮を図ることができる。鉄筋工などの労働力不足が叫ばれる中、画期的な工法として大手ゼネコンからも注目を集めている。

 新会社の商号は「ロールマットジャパン」で、設立は今年7月。出資比率はJ鉄建が39%、スギウラ鉄筋が51%、丸杉が10%。本社はJ鉄建と同じJFE商事ビル内に置き、社長には杉浦氏が、副社長にはJ鉄建の有田隆寛氏(管理本部付出向)がそれぞれ就任。月間出荷量は約1千トンを見込み、年商約6億円を目指す。

 建築物などの基礎コンクリート工事では、現場で異形棒鋼を格子状に組み、結束線を用いて手作業で組み立てるのが主流。新会社が普及を目指す「ロールマット工法」は、鉄筋を専用機械で面状に先組みしてロール状に巻き取り、工事現場では手で広げるだけで配筋作業を完了できるのが特徴。

 現場での前段取りを省略し、結束作業も減らせるため、在来工法より工期を2分の1以下に短縮できるとともに、工事全体に占める人件費といったコストも軽減。騒音も発生しにくいという。

 同工法はスギウラ鉄筋が2015年、ドイツの鉄筋加工機メーカー「ペダックス(PEDAX)」との間で日本での独占販売契約を締結。権利関係を新会社が継承し、需要地である関東(千葉県船橋市)と中部(愛知県豊明市)にそれぞれ製造拠点を置いて営業拡大を図っていく。今後は大型物流倉庫などの建築物のほか、駐車場やトンネル床面などでの採用に向けてゼネコンや鉄筋施工会社に採用を働き掛けていく。

 ロールマットジャパンは「新工法の普及を通じて、現場での作業員不足が深刻となっている昨今のニーズに応えるとともに、生産性向上や業務負荷軽減、現場経費削減に貢献したい」としている。

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