【MLB】日米野球で来日へ…MVP候補イエリッチがイチローに今も抱く敬意「最高の人」

マーリンズ時代にチームメイトだったイチロー(左)とイエリッチ【写真:Getty Images】

マリナーズのゴードンに電話するときはイチローと会話も「話していて楽しいんだ」

 昨季マーリンズでメジャー最強外野トリオと呼ばれていたユニットは、オフのチームのファイヤーセールで解体された。ナ・リーグMVPのジャンカルロ・スタントン外野手はヤンキース、マルセル・オズナ外野手はカージナルスに移籍する中、クリスチャン・イエリッチ外野手は1月にブルワーズにトレードされ、今季リーグトップの打率.322、32本塁打、96打点と大活躍。今季のナ・リーグMVP有力候補で、11月にはMLBオールスターチームの一員として「2018日米野球」に参戦することも決まった。

 母方の祖母が日本人で日系3世のイエリッチ。今やメジャー屈指の外野手へと成長したが、昨季までチームメートだったマリナーズの会長付き特別補佐、イチロー外野手から学んだ流儀を明らかにしている。

「イチローとはディー・ゴードンとフェイスタイム(テレビ電話)で話す時にはいつも話しているよ。今でも最高の人だし、話していて楽しいんだ。でも、個人的にはイチローに対するリスペクトが大きいので、自分から彼に電話して邪魔とかはできない」

 2015年から3年間チームメートだった背番号51について嬉しそうに語ったイエリッチ。昨季まで4番手の外野手として最強トリオを支えたレジェンドは、同じくマリナーズに移籍したディー・ゴードン内野手と連絡をする際にしばし登場するという。

イエリッチが振り返る一番の思い出「みんな幸せな気持ちになった」

 イチローへの敬意を忘れない男には、今でも忘れられない歓喜の瞬間がある。

「イチローとの最高の思い出は3000安打だね。あれは自分のキャリアの中でもお気に入りなんだ。色々な積み重ねがあって、あのクライマックスがあった。メディアもすごい人数がチームをフォローしていたしね。最終的にコロラドで達成したのは本当にクールだったよ。チームメートはみんな幸せな気持ちになったんだ」

 2016年8月7日のロッキーズ戦の7回、イチローはライトフェンス直撃の三塁打を放った。メジャー史上30人目となる3000安打の偉業を達成し、クアーズ・フィールドの三塁ベース上でチームメートが祝福した。今では主力が大量放出となり、瓦解してしまったマーリンズだが、あの記憶は今でも忘れないという。

 そして、クラブハウスで時間を共にしたイチローはメジャー屈指の好打者に成長したイエリッチにとっても最高の手本だった。

「僕も彼から多くを学んだ。野球に対する哲学、日々の準備という部分だね。野球界で一緒にいて最高な人だった。一緒にプレーできたことは財産なんだ。彼自身も最高にクールな人なんだよ。自分はイチローが野球に関わっていることが嬉しいんだ。またフィールドで会いたいよ」

 ストイックに自分を磨く求道者の姿からイエリッチはプロとしての“真髄”を学んだようだ。来季の出場に向け、現在も鍛錬を怠らない背番号51。イエリッチは再会の日を心待ちにしている。(Full-Count編集部)

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