【平成の長崎】天皇、皇后両陛下が長崎市訪問 「戦後50年慰霊の旅」  平成7(1995)年

 天皇、皇后両陛下は7月26日、「戦後50年慰霊の旅」の最初の地として長崎市を訪問。平和祈念像への供花、原爆資料センター視察のあと恵の丘長崎原爆ホームを慰問、入所の被爆者を見舞われた。両陛下のご来県は、平成3年7月の雲仙・普賢岳噴火災害のお見舞い以来で3度目。皇太子時代を含め通算7回目のご訪問となった。
 両陛下は26日正午前、日本エアシステムの特別機で長崎空港に到着。長崎市大黒町のホテルで、高田知事から戦災50年の概況説明を受けられた。その後、長崎市松山町の平和公園に向かわれ、伊藤長崎市長の先導で平和祈念像に供花、原爆犠牲者のめい福を祈られた。
 長崎市平野町の原爆資料センターでは、伊藤達也館長の説明を受け、被爆資料をご視察。長崎被災協会長の山口仙二さんら被爆者団体の代表と会い、これまでの被爆の苦しみにいたわりの言葉をかけられた。
 高齢の被爆者ら335人が入所する長崎市三ツ山町の恵の丘長崎原爆ホームでは居室を訪れ、寝たきりのお年寄りのベッドに寄り添い、手を取りながら慰めの言葉をかけられた。入所者らはお礼に「長崎の鐘」を合奏、両陛下が聞き入る中、入所者代表が「平和への願い」を朗読した。
(平成7年7月27日付長崎新聞より)
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【平成の長崎】は長崎県内の平成30年間を写真で振り返る特別企画です。

入所の被爆者に声をかけられる天皇陛下=恵の丘長崎原爆ホーム
入所の被爆者に声をかけられる天皇、皇后両陛下=恵の丘長崎原爆ホーム

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