阪神、甲子園で勝てない不思議 借金17、勝率.345 金本体制3年で2度負け越し

阪神・金本監督【写真:荒川祐史】

甲子園での勝率なんと.345、せめて5割なら……

 シーズン最終盤、阪神の残り試合はロッテと並ぶ最多の9試合。まだCS進出可能性は残っているが、3位タイに並ぶ巨人、DeNAとは4差。クライマックスシリーズ進出は厳しい状況になってきている。

 今季、ここまで阪神が苦戦した理由はいろいろあるが、本拠地の甲子園球場で勝てなかったことも大きな要因の一つだろう。

【今季の球場別の勝敗】

〇2018年
134試合59勝73敗2分 勝率.447(5位)
ホームゲーム 66試合25勝39敗2分 勝率.390
・甲子園 57試合19勝36敗2分(12中止)
・京セラD 8試合5勝3敗
・倉敷 1試合1勝0敗
ビジターゲーム 68試合34勝34敗0分 勝率.500

 今季、阪神は本拠地の甲子園球場だけで借金17、勝率.345と大きく負け越している。この数字が大きく響いてホームゲーム全体でも勝率.390。ビジターでは勝率5割の成績だから「甲子園で弱かった」ことが今季の不振につながっていることになる。甲子園での阪神への応援は、12球団でも屈指の迫力だが、その大声援の中で阪神は勝てなかったのだ。

金本監督の3シーズン中2シーズンでホーム負け越し

【2014年からの球場別の勝敗】

〇2017年
143試合78勝61敗4分 勝率.561(2位)
ホームゲーム 72試合41勝29敗2分 勝率.586
・甲子園 62試合34勝26敗2分(5中止)
・京セラD 9試合6勝3敗
・倉敷 1試合1勝0敗
ビジターゲーム 71試合37勝32敗2分 勝率.536

〇2016年
143試合64勝76敗3分 勝率.457(4位)
ホームゲーム 71試合31勝39敗1分 勝率.443
・甲子園 63試合26勝36敗1分(6中止)
・京セラD 8試合5勝3敗
・倉敷 (1中止)
ビジターゲーム 72試合33勝37敗2分 勝率.471

〇2015年
143試合70勝71敗2分 勝率.496(3位)
ホームゲーム 72試合44勝27敗1分 勝率.620
・甲子園 63試合35勝27敗1分(6中止)
・京セラD 9試合9勝0敗
ビジターゲーム 71試合26勝44敗1分 勝率.371

〇2014年
144試合75勝68敗1分 勝率..524(2位)
ホームゲーム 72試合41勝30敗1分 勝率.569
・甲子園 62試合33勝28敗1分(5中止)
・京セラ 9試合7勝2敗
・倉敷 1試合1勝0敗
ビジターゲーム 72試合34勝38敗1分 勝率.472

 前任の和田豊監督の時代、阪神はホームでの勝率がロードよりも圧倒的に高かったが、金本阪神になってからは3シーズン中2シーズンでホームの勝率がロードよりも低い。

天候不順により定まらないスケジュールもホームで苦戦の一因か

 注目すべきは、京セラドームでの主催試合だろう。過去5年間の通算勝敗は43試合で32勝11敗、勝率実に.744。阪神は京セラドームを本拠地にしていれば、余裕でCSに進出していたことになる。

 甲子園で勝てない理由はいろいろ考えられるが、今季に関していえばすでに12試合も雨天中止があった。日程が定まらず、振り替え試合が多いことが、阪神ナインのコンディションに影響した可能性はあるだろう。

 今季は甲子園であと5試合が予定されている。状況によってはダブルヘッダーになる可能性もあるが、ファンのためにも本拠地甲子園での一層の奮起が求められるだろう。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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