本拠地戦で苦しんだ9月のロッテ、10連敗は止まるのか…来季につなげたい10月

ロッテ・井口監督【写真:荒川祐史】

本拠地の利点を生かし、巻き返しを図りたかったが…

 8月終了時点で4位につけていたロッテ。クライマックスシリーズ進出へ向け、今一度奮起したいところだったが、9月は5勝14敗と大きく負け越して、同27日にBクラスが確定した。9月初めに5位に転落してから這い上がれず、厳しい戦いを強いられ続けたのは、本拠地・ZOZOマリンスタジアムで全く勝てなかったことが大きい。

 9月15日の楽天戦から24日のオリックス戦にかけて10連戦が組まれたが、そのうちの8試合が、ZOZOマリンスタジアムでの試合。地の利を生かしたいところだったが、0勝7敗(※20日の西武戦は中止)と、1つも白星を挙げられなかった。

 記憶に新しいのは9月18日のソフトバンク戦。2点を追う9回裏1死一塁から、角中勝也外野手が右翼フェンス直撃の当たりを放つも、一塁走者の中村奨吾内野手のスタートが遅れ、打者走者の角中が一二塁間でタッチアウト。三塁へ向かった中村もアウトで試合終了となり、一打同点、一発が出ればサヨナラの場面で、後味の悪い敗戦を喫した。

 また、本拠地での連戦の間、投打が全くといっていいほど噛み合わなかった。打線は7試合で計15得点。この期間のチーム打率は.196と、精彩を欠いた。

 投手陣も、7試合中4試合で5点以上を失った。連戦初戦となった15日の楽天戦では、先発した二木康太投手が先頭打者弾を浴びるなどし、3回2/3を投げて6失点でノックアウト。後を受けて登板した東條大樹投手、チェン・グァンユウ投手、大谷智久投手、高野圭佑投手も失点し、投手陣が19被安打10失点と、試合を作ることができなかった。

 結局、9月はZOZOマリンスタジアムで13試合を戦ったが、5日のソフトバンク戦に勝利したのみで、1勝12敗。6日のソフトバンク戦から10連敗中だ。

福浦の2000本安打達成、若手の躍動など明るい話題も

 そんな中で、明るい話題もあった。8日の西武戦(メットライフドーム)で、井上晴哉内野手が球団の日本人選手としては2013年の井口資仁(現監督)以来となる、シーズン20本塁打に到達。22日の西武戦では、福浦和也内野手が通算2000安打を達成した。試合には敗れたが、本拠地のファンの前で偉業を成し遂げた。

 24日のオリックス戦(京セラドーム大阪)では、将来のチームを背負うことが期待される平沢大河内野手と、高卒ルーキー・安田尚憲内野手が本塁打や勝ち越し打などを放ち、チームの勝利に大きく貢献した。

 個人タイトル争いでは、中村が30日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で2つの盗塁を成功させ、リーグトップ38盗塁目。初の盗塁王獲得への期待も高まっている。9月はかなり苦戦したロッテだが、10月の残り試合で少しでも多く、来季につながる収穫を得たい。(「パ・リーグ インサイト」編集部)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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