セ打撃タイトルは盗塁以外は助っ人が独占!? 丸、ソトら本塁打争いに注目

中日のダヤン・ビシエド【写真:荒川祐史】

バレンティンは打点王当確、本塁打王の可能性も

 セ・リーグは巨人とDeNAが激しく3位の座を争っているが、打撃タイトルも激しい争いになっている部門がある。打撃タイトル各部門の状況を見ていこう。

〇安打
1ビシエド(中)178
2宮崎敏郎(De)173
3岡本和真(巨)164
4青木宣親(ヤ)162
4山田哲人(ヤ)162

 中日のビシエドが1位だが、中日はあと2試合なのに対し、DeNAは4試合あるので、宮崎が5本差を追いつく可能性がある。中日は9月29日に試合をして以来10月5日まで試合が組まれていない。試合間隔が開くことがビシエドの打撃にどう影響するか。

〇本塁打
1丸佳浩(広)39
2ソト(De)38
2筒香嘉智(De)38
4バレンティン(ヤ)36
5山田哲人(ヤ)34

 1位の広島・丸から4位のヤクルト・バレンティンまでタイトルのチャンスがあるだろう。広島は残り2試合、DeNAとヤクルトは残り4試合。丸は残り2試合で1本でも多く打ちたいところだ。ソト、筒香のDeNA勢がタイトルを分け合えば、同一チームでそろって本塁打王は2014年の西武・メヒア、中村剛也以来史上4回目となる。

〇打点
1バレンティン(ヤ)125
2ビシエド(中)99
3丸佳浩(広)97
4岡本和真(巨)96
5鈴木誠也(広)94

 ヤクルト、バレンティンで当確。巨人、岡本和真が100打点なら史上最年少(22歳)での3割、30本、100打点となる。巨人は残り2試合。CS死守のためにも岡本の奮起が期待される。

〇盗塁
1山田哲人(ヤ)32
2田中広輔(広)29
3糸井嘉男(神)22
4大島洋平(中)21
5京田陽太(中)19

 トリプルスリーが当確のヤクルト・山田哲人と広島・田中広輔の争い。山田がとれば3度目のタイトル。田中がとれば、2年連続2度目のタイトルとなる。広島は残り2試合、ヤクルトは4試合だから山田が有利だが、盗塁は荒稼ぎが可能だ。3差は十分逆転可能な数字だろう。

〇打率
1ビシエド(中).349
2坂本勇人(巨).341
3平田良介(中).331
4青木宣親(ヤ).327
5鈴木誠也(広).325

 中日・ビシエドの優位は動かない。ビシエドが獲得すれば、初のキューバ出身の首位打者となる。今季は、名門球団巨人、阪神の選手で打撃タイトルに絡む選手はいなかった。両チームの低迷が浮き彫りになった形だ。

 日本人打者の躍進が目立つパ・リーグとは対照的に、セ・リーグは盗塁を除く4つのタイトルを外国人選手が独占する可能性がある。日本人打者、とりわけ20代の若手の奮起を促したいところだ。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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