離島航路運休 「まず新上五島へ対応を」 影響深刻と五島市長

 五島産業汽船(長崎県新上五島町)が経営破綻し離島航路を突然運休した問題で、五島市の野口市太郎市長は11日、「まずは新上五島町の住民への対応を(関係機関が)しっかり取ってほしい」と求めた。県離島振興協議会長として、県庁で中村法道知事に離島航路対策などを要望した後、報道陣に答えた。
 野口市長は要望書を手渡した際、あいさつで運休問題に触れ、「一日も早い再開に向け協力いただきたい」と要請。佐世保(鯨瀬)-五島(福江)も運休となったが、野口市長は要望後、報道陣に「深刻な影響を受けている新上五島町の方を最初に解決すべきだ」との認識を示した。
 要望に同席した北松小値賀町の西浩三町長は、同社の関連会社が運休した上五島(有川)-小値賀-佐世保(宇久平)航路に触れ、「スムーズな乗り換えができなくなっている。新上五島町に通院する人がいるが、支障を来す」と懸念を示した。
 中村知事は同日の定例会見で「地元の町あるいは国、関係団体と連携し対応策を講じる必要がある。離職した人々が安定した仕事に就けるよう関係機関に協力をお願いしないといけない」などと述べ、対応を急ぐ考えを示した。

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