JFE商事中国子会社「浙江川電鋼板」、モーターコアの生産能力増強検討 自動車・家電向け需要捕捉

 【平湖発=谷山恵三】JFE商事の中国子会社の浙江川電鋼板加工(本社・浙江省平湖市、董事長・森田誠司JFE商事執行役員中国事業本部長)は、モーターコア生産の拡大により2020年には本社工場がフル操業化する見通しで、隣接地での新工場建設など増強投資を検討している。現工場は相次ぐ増設を経て月産能力4千トンのモーターコア加工体制を整えるが、車載モーター需要拡大への対応強化や主機モーター用コアへの本格参入を図るには能力増強が必要で、早ければ19年4~6月に意思決定することになりそうだ。

 浙江川電は敷地面積6万平方メートルで、大型スリッター3基、高速プレス44台、連続焼鈍炉3基、アルミダイカストマシン2基などを持つ。従業員数は18年8月末現在で642人。18年の生産量は月平均1万700トンで、うちモーターコア生産は同3400トン。扱い品種では無方向性電磁鋼板が9割を占める。

 高速プレスのうち大型の300トンプレスは15台、200トン以上のプレスは合計25台を占める。「中国ナンバーワンのコアメーカーを目指す」(山本哲也総経理)方針で、すでにトップ級の存在感を確立しているが、さらなる需要増を見込んで大型プレスを中心に増強を図る。

 現工場に拡張余地はほとんどないため、隣接地の取得を含めて増強策を検討する。

 隣接地は3万平方メートルで現在は同社に土地購入優先権がある。この隣接地を活用してモーターコア生産設備を増強した場合、最終的に月産能力を現行比5割以上アップの月6千~7千トンに拡大できる。

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