核廃絶へ命日に墓前祭 秋月さんの遺志受け継ぐ 妻すが子さん 初参列

 長崎原爆で被爆した医師で、2005年に89歳で亡くなった秋月辰一郎さんをしのぶ墓前祭(実行委主催)が命日の20日、長崎市内であった。今回初めて妻のすが子さん(100)が出席。親交のあった約30人と共に、核兵器廃絶と平和な世界の実現に向けて努力し続けることを誓った。
 秋月さんは、爆心地から1・4キロの旧浦上第一病院(現在の聖フランシスコ病院、長崎市小峰町)で自らも被爆しながらも負傷者を懸命に救護した。戦後は、1983年に設立した長崎平和推進協会の初代理事長を務めるなど、長崎の反核平和運動をリードした。
 墓前祭は、生誕100年に当たる2016年から毎年開催。参列者一人一人が献花し、全員で黙とう。参列者が秋月さんとの思い出を語り合った。
 聖フランシスコ病院で2年間、秋月さんと勤務した日赤長崎原爆病院名誉院長の朝長万左男さん(75)は、「どうしたら核兵器のない世界をつくれるかを示すことが、秋月先生から引き継いだ私たちの役目だと思っている。それが核兵器を必要だと思っている人の考えを変える力になるはずだ」と決意を述べた。
 墓前祭は来年以降も開く予定。

秋月さんの墓へ献花する妻すが子さん(左から2人目)=長崎市石神町

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