金属行人(10月23日付)

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 「もうすぐ熱効率50%という夢のガソリンエンジンができます」―だから、まだまだ内燃機関は見捨てたものじゃない、と某自動車メーカーの関係者。世を挙げて「EV時代到来」の声が高まっているが、本当はどうなのか。知識をお持ちの方には釈迦に説法だが▼子供の頃、理科の授業でガソリン車の熱効率を聞かされ「その程度か」と驚いた記憶がある。熱効率(燃料の化学エネルギーを有効な仕事に変換する割合)は2割程度。しかも低速走行、アイドリング、急加速などでは効率が下がる▼EVモータの熱効率は9割超だというから、それだけを見ると内燃機関は勝負にならない。しかし、EVの電気エネルギーをどこから持ってくるか。発電所だ。火力発電所の発電タービンの電気エネルギーへの変換効率は大体4~5割という。高効率のEVも全体で見るとガソリン車と大差がなくなる。そこに熱効率5割の「夢の内燃機関」誕生間近の話▼そうすると、どういうことになるのか。すでに実現しているが「内燃機関で電気を作りながらモータで走る」クルマ。HVの進化形として今後ますますクローズアップされるのか。電池開発の進展とも関係するが。いずれにせよ、エンジン引退の日は当分先といえそうだ。