東京五輪・都市鉱山「みんなのメダルプロジェクト」、銅は目標回収量達成 JX金属など協力

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は23日、「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」の進ちょく状況を公表した。今年6月までの回収量は金が16・5キロ、銀が1800キロ、銅が2700キロで、最終的な目標納入量に対する達成率は金が54・5%、銀が43・9%、銅が100%。五輪史上初のリサイクル率100%実現に向けて引き続き積極的な回収活動を行っていく。

 金・銀・銅の精製では、銀と銅の精製で協力するJX金属をはじめ、三菱マテリアル、三井金属、DOWAホールディングス、田中貴金属工業が精錬事業者として協力企業に名を連ねている。

 「みんなのメダルプロジェクト」は、家庭に眠る携帯電話やパソコンなどの使用済み小型家電から東京2020大会の金・銀・銅メダル合わせて約5千個を制作しようという取り組み。

 事業協力者であるNTTドコモと日本環境衛生センターが中心となって使用済み携帯電話などの小型家電を回収し、そこから提供されるリサイクル原料を精錬事業者がメダルの原料となる金・銀・銅に製錬・加工する。その後、組織委員会によってメダルが製造される。同プロジェクトを通じて都市鉱山リサイクルの浸透を図り、東京2020大会終了後も資源循環の取り組みの定着を目指している。

 東京2020組織委員会の武藤敏郎専務理事・事務総長は「このプロジェクトを通じて持続可能性に関する強いメッセージを世界に発信できる。世界中にリサイクルが広まり、持続可能な社会を実現する一助になればと願うが、そのためにも金と銀の回収に引き続き取り組む」と話した。

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