「ユカたん」、「レモンケーキ」を製造販売していた(株)ニシムラフアミリー、破産開始決定

 (株)ニシムラフアミリー(TSR企業コード:090076214、法人番号:5430001043842、千歳市新富2-4-1、設立昭和52年10月、資本金1000万円、米山誠社長)は9月28日、札幌地裁に破産を申請し10月12日、破産開始決定を受けた。破産管財人には竹間寛弁護士(ちくま法律事務所、札幌市中央区大通西11-4、電話011-375―7878)が選任された。
 負債総額は債権者約80名に対して約2億6000万円。

 和洋菓子・パンの製造販売を手掛けていた。「ニシムラ」の屋号で展開する小売店は相応の知名度を有するほか、本社のある千歳市を中心に苫小牧市、岩見沢市などのスーパーマーケットに展開していた。
平成13年には札幌工場を新設して生産体制を拡充。15年2月には西村食品工業(株)(TSR企業コード:010057935、札幌市西区)の破産を受け、同社の事業および従業員を継承したほか、同社が製造していた「ユカたん」「レモンケーキ」などのヒット商品も引き継ぎ、さらに出店攻勢を強めて事業を拡大し、ピークとなる19年9月期の売上高は5億9100万円を計上していた。
 しかし、同業他社との競争に加えて、札幌工場新設における設備投資が採算を圧迫していたことから、不採算店舗を閉鎖して事業規模を縮小していた。29年6月には札幌工場を売却し、本社に併営する千歳工場に生産を集約して財務の改善を図ったが、不採算店舗の閉鎖の影響から、29年9月期の売上高は2億6000万円まで落ち込んでいた。赤字を散発して債務超過の状態が続き、支えきれず30年5月31日、事業を停止していた。

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