永井博士しのび 平和へ誓い新たに 山里小で平和祈念式

 長崎原爆で約1300人の児童や教員が犠牲になった長崎市橋口町の市立山里小(吉本研二校長、679人)で2日、平和祈念式があった。同校ゆかりの被爆医師、故永井隆博士をしのび、平和への誓いを新たにした。
 同校には、原爆で命を落とした児童らを慰めようと永井博士が発案し、建立された「あの子らの碑」がある。平和祈念式は、碑が除幕された1949年11月3日にちなみ、毎年この時期に営んでいる。
 児童代表らが献水、献花した後、永井隆記念館(上野町)の永井徳三郎館長が講話。「自分自身が苦しい時でも、やさしい心を持ち、相手を思いやり、命を大切にする人は、人と争ったりけんかしたりする思いを持つことのない、平和をつくっていく人になれる」と伝えた。児童らは永井博士が作詞した「あの子」を合唱。「山里小学校の私たちは、この手でしっかりと、平和を守り続けることを誓います」と大きな声で誓った。
 児童を代表し、作文を読んだ6年生の桑原茜さん(12)は「一人一人が平和の思いを持ってけんかをなくしたら、平和になると思う」と話した。

「あの子らの碑」に献水する児童代表=長崎市、山里小

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