中上、MotoGPマレーシアGPで最後列から追い上げポイント獲得も「FP3のリズムを発揮できなかった」

 MotoGP第18戦マレーシアGPの決勝レースで、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は14位フィニッシュを果たし、ポイント圏内でチェッカーを受け、最後列スタートから追い上げのレースを見せた。

 セパン・インターナショナル・サーキットで行われたマレーシアGPは、予選が行われる2日目、天候に翻弄された。フリー走行4回目の最中にはスコールが降り、ここで中上は転倒を喫している。続いて行われた予選Q1でも直前に降り出した雨によりスタート直後に赤旗が提示され、約1時間20分にわたり中断となった。

 Q1再開直後の路面コンディションはフルウエット。中上は思うようにタイムを詰めることができず、Q1で12番手、予選グリッド22番手に沈んだ。

 決勝レースは天候上の懸念から、当初の予定よりも2時間スタートが早められることが発表される。中上は決勝レースは「ドライならばいいペースで走れるセットアップがある」と意気込みを見せた。

 迎えた決勝レースは、気温34度、路面温度53度のドライコンディション。最後列からじりじりと堅実なラップを重ねた中上は、レース中盤には18番手、終盤には14番手にまでポジションを上げると、そのままフィニッシュ。22番手からポイント圏内に食い込んだ。

最後列から追い上げのレースとなった中上。14位ポイント圏内でフィニッシュ

「今日は厳しいレースになりました」と中上はレースを振り返る。今大会、中上は新しいフロントフォークを試していたという。そのフロントフォーク合わせきれないまま決勝を迎えていた。

「路面温度も上昇し、ベストコンディションとは言えない状況でした。フロントにミディアム、リヤにソフトを選んだタイヤチョイスは適切だったと思います」

 フリー走行でマークしたようなペースを刻むことができず、ラップタイムに苦しんだ。

「土曜のフリー走行3回目では2分01秒台で走れていたのですが、レースではリヤのグリップが厳しく、そのときのリズムを発揮できませんでした」

 それでも予選日とは打って変わったドライコンディション、そして熱帯地方ならではの蒸し暑い気候のなかで力走を見せた。次戦はMotoGP最終戦バレンシアGP。中上にとってMotoGPクラスルーキーイヤー最後のレースになる。

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