長友を超えろ!日本代表を狙える「左利きの左サイドバック」たち

今月、ベネズエラ、キルギスと2018年最後の親善試合を行う日本代表。

今回は“絶対的存在”と言える長友佑都が気胸の手術により離脱したため、左サイドバックの人選に注目が集まっている。

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代役の一番手として考えられているのが佐々木翔であるが、彼と長友の共通点といえば右利きの左サイドバックであるということ。日本代表は過去を振り返っても「左利きのサイドバック」選びに苦労しており、それが今日までも続いている。

そこで今回はあえて、今だから推したい「代表未招集の左利きサイドバック/ウィングバック」を特集してみよう。

杉岡 大暉(湘南ベルマーレ)

今、「左利きの左サイドバック」といえば何といってもこの男だろう。

昨年、プロ1年目にして湘南でポジションを掴み、U-20ワールドカップに出場した成長株は、先月末に行われた横浜F・マリノスとのルヴァンカップ決勝でものの見事な決勝弾を叩き込み、「時の人」となった。

彼はセンターバックも可能な対人の強さと高精度の左足が高く評価されているが、それ以上に“推したい”のは精神面だ。アジア大会の決勝・韓国戦では途中、相手との激しい接触で頭部を流血するアクシデントに見舞われたものの、それ以降むしろ覚醒したかのように相手のサイドで脅威になり続けた。

さすがは名門・市立船橋高で主将を務めただけのことはある。タフな展開になればなるほど、時間が経過すればするほどに凄みを増す20歳から目が離せない。

菅 大輝(北海道コンサドーレ札幌)

U-12(小学生)からコンサドーレ札幌一筋というレフティー。

日本代表にはU-16から選ばれ続け、一昨年、クラブ史上最年少の17歳で先発デビューを果たした逸材は、今季、3-6-1の左ウィングバックのポジションで29試合に先発起用されている。

彼の一番の武器はその左足で、シュートは稲妻のような破壊力を誇り、『Football-LAB』が集計するデータのクロス部門でも全体で10位に入っている。小柄ながら下半身が強く非常にタフな選手であり、その点では長友と似たところもある。

ペトロヴィッチ体制で薫陶を受けているだけに、森保サッカーへの順応は問題ない。実際、森保監督が兼任する東京五輪の代表チームには発足後の最初の試合で招集されており、そのリストの中にあることは間違いないだろう。

山中 亮輔(横浜F・マリノス)

アンジェ・ポステコグルー監督の攻撃的なスタイルで花開いた山中亮輔は、今シーズンの横浜F・マリノスで中心的な役割を果たしている。

25歳の左サイドバックは元々高いキック精度を持つことで知られていたが、攻撃時に内側へ入ってボランチ的に振る舞ういわゆる「アラバロール」を任され、プレーの幅を格段に広げた。

チャンスを作り出すだけではなく、強烈なミドルシュートなどで今季はすでに4ゴールを記録。守備面の不安を補って余りあるプレーを見せている。

プレースキックにも定評があり、左利きの左サイドバックとしては現在もっとも代表に近い選手の一人だ。

松原 后(清水エスパルス)

先月、北川航也が日本代表デビューを飾った清水エスパルス。次なる代表として期待される選手の一人が、北川と同い年の松原后(こう)だ。

浜松開誠館高校から2015年に清水エスパルスへ入団した22歳は、2017シーズンに攻撃的なサイドバックとしてブレイク。

自ら仕掛けてチャンスを作り出す姿勢と能力、さらに182cmというサイズが現代的なサイドバック像にもマッチし大きな注目を集めた。

今シーズンは開幕からやや空回りするところが見られスランプといえる状況だったが、最近のプレーからは壁を一つ乗り越えたような印象を受ける。

いずれA代表に絡んでくるタレントに違いないが、それが今回でも決しておかしくない。

東 俊希(サンフレッチェ広島)

最後は、先日閉幕したAFC U-19選手権に出場したメンバーから東俊希を紹介しよう。

ブラジル代表DFマルセロ(レアル・マドリー)を敬愛する18歳は、広島ユースで攻撃的なポジションを任されていることもあり、DFにしては豊富な選択肢を持つ万能型サイドバックである。

相手を抜き切らずに上げるクロスは絶品だが、上述のU-19選手権では6万人という完全アウェイのなか行われた準々決勝の開催国インドネシア戦で35~40m級のロングシュートを叩き込み、日本に2大会連続のU-20ワールドカップ出場権をもたらした。

9月にプロ契約を結んだもののまだJ1デビューさえしていない高校3年生。しかし貴重な「左利きの左サイドバック」として是非追いかけておきたい存在だ。

日本代表は11月16日(金)に大分でベネズエラと、20日(火)に愛知でキルギスと戦う。今年最後の代表戦となるほか、来年初頭のアジアカップに向けても重要な位置づけとなるはずだ。

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