金属行人(11月)

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 日本は陸上の鉱物資源に乏しいが、世界第6位の排他的経済水域(EEZ)を持ち、その海底には銅や鉛・亜鉛、貴金属、レアメタル、レアアースなど豊富な資源が存在すると言われている。中でも海底熱水鉱床は、比較的近海かつ分布水深が浅く、金や銀などの含有率が高いことから開発に有利と言われる海底鉱物資源だ▼その海底熱水鉱床に関するこれまでの取り組みの実績と成果をまとめ、経済性などの要因も踏まえて評価した総合評価報告書の概要が先月末に公表された。海底熱水鉱床の開発に向けては昨年度に沖縄海域での連続揚鉱に世界で初めて成功し、今年度は海底熱水鉱床からの亜鉛地金製造に成功するなど生産技術の確立に向けた動きが着実に進展している。一方で経済性の面ではコスト改善などの課題が残るものの、将来的には経済性を見いだせる可能性があると報告された▼海底鉱物資源は世界的に商業化に至った例がなく、法整備や人材の確保・育成なども含め、まだまだ課題は残る。だが、世界に先駆けて技術を確立できれば鉱物資源の供給源を多角化できるとともに、海洋資源開発の分野で世界をリードできるはず。資源国の資源囲い込みに対しても有効なけん制になるはずだ。