中国・鞍鋼集団総経理に戴氏

宝鋼董事長は退任

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 中国・宝武鋼鉄集団の中核鉄鋼事業会社・宝山鋼鉄の戴志浩董事長が19日、同職を退任し、鞍鋼集団総経理に就いた。同日付で宝山鋼鉄および鞍鋼集団がそれぞれ宝山鋼鉄董事長の退任と鞍鋼集団総経理への就任を発表した。戴志浩氏は63年6月生まれの55歳。83年に上海交通大学卒業後、宝山鋼鉄入社。96年米国ウエストバージニア大学経済学修士卒、07年宝鋼集団副総経理。17年に宝山鋼鉄董事長に就いた。

解説/中国最大手の宝武と名門の鞍鋼、統合への布石?

 2013年7月、馬国強・宝山鋼鉄総経理が退任し、武漢鋼鉄総経理に就任した。その3年後の16年6月、両社の統合検討開始が発表。同年12月には粗鋼年産7千万トン規模の宝武鋼鉄集団が誕生した。

 13年の国営ミルトップの移籍が中国鉄鋼業における最大の合併劇の端緒であった以上、関係者にとって自然に考えれば今回の人事はこれを想起せざるを得ないものになる。

 宝武および鞍鋼ともに国務院の国有資産監督管理委員会が出資する国営ミル。宝武誕生によって、すでに国営ミル同士の経営統合のモデルケースも出来上がった。

 関係筋によると「そういった話は現時点では白紙だろう」とされるが、中国政府が鉄鋼業の再編・統合を進めたい方針を示している中、宝武鋼鉄集団も既存メーカーとの経営統合などによって粗鋼年産1億トンへの規模拡大を目指している。今回の人事がさまざまな憶測を呼ぶことは避けられないだろうし、両ミル幹部もそうしたことは想定しているとみられる。

 中国最大手である宝武、そして中国鉄鋼業の名門である鞍鋼。必ずしも今回の人事が統合への布石とは断じられないが、今後の両ミルの動向が注目されよう。(宇尾野 宏之)