【MLB】通算3166安打の名選手、レンジャーズ・ベルトレが引退を発表「幸せだった」

現役引退を発表したエイドリアン・ベルトレ【写真:Getty Images】

安打数はMLB歴代15位、三塁手で3000本安打&400発達成はひとりだけ

 MLB通算3166安打で、マリナーズのイチロー(現在3089安打)、エンゼルスのアルバート・プホルス(現在3082安打)を上回る現役最多の安打数を誇るレンジャーズのエイドリアン・ベルトレ内野手が20日(日本時間21日)、今シーズン限りでの現役引退を表明した。

 ベルトレは球団を通じて声明を発表。「じっくりと今後のことを考え、何日もの眠れない夜を過ごした末、私は自分の人生をかけてきた大好きな野球から引退すると決めた。野球が私にもたらしてくれたものに感謝し、そして15歳の時から夢見てきたプロの野球選手として、最高レベルの舞台で21シーズンもプレーできて幸せだった」とコメントした。

 極端なクローズドスタンスから左右に鋭い打球を飛ばす広角打法で、3166安打はMLB歴代15位、2933試合出場は同14位、477本塁打は同30位、1707打点は同24位という輝かしい数字を残しているベルトレ。オールスター出場4回、ゴールドグラブ5回、シルバースラッガー賞を4回受賞している。1998年にドジャースからデビューし、強打の三塁手として活躍。2005年~09年にはマリナーズに在籍し、イチローとともにプレー。その後レッドソックスを経て2011年以降はレンジャーズでプレーし、2011年にはワールドシリーズにも出場した。

イチローが再び現役選手トップの安打数に

 三塁手で3000本安打と400本塁打を同時にクリアしているのは歴代でもベルトレだけ。野球殿堂入りも確実と見られている名選手が、静かにユニホームを脱いだ。ベルトレは19歳の時に契約してくれたドジャースのトミー・ラソーダ元監督に対し「トミーに感謝したい。ドミニカ共和国から来た実績もない小僧(ベルトレのこと)と契約してくれてありがとう。ドミニカ共和国、米国、ラテンアメリカで自分を応援してくれているファンに、心から『ありがとう』と言いたい。これから、フルタイムで夫。父親として生きていけることにワクワクしている。ムーチャス・グラシアス!」とのメッセージを残し、ベルトレは自らの大リーガーとしてのキャリアを締めくくった。

 関係者や現役選手、元選手らも、ベルトレの引退に次々とコメントを発表。レンジャーズでともにプレーしたマイケル・ヤング氏は「自分が見た中で最高の三塁手。完璧なチームメートだった」とツイッターでつぶやき、カージナルスのマット・カーペンター外野手も「殿堂入り確実な選手と(2011年ワールドシリーズで)戦えたことを誇りに思う」とツイッターに投稿した。

 ベルトレの引退で、イチローが現役選手の安打数トップに返り咲いたが、プホルスとの差は7本しかなく、2人の試合出場頻度からいって、すぐにプホルスに上回られるのは必至の状況だ。(Full-Count編集部)

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