楽天ドラ6渡辺佳が“おじいちゃん孝行”宣言 横浜高前監督を「仙台に招待したい」

新入団選手発表会見に臨んだ楽天・渡辺佳明(右)と祖父の渡辺元智氏【写真:高橋昌江】

会見出席の名将「正直に言って、感無量ですよ」

 楽天の新入団選手発表会見が22日、仙台市内で行われた。ドラフト6位の渡辺佳明内野手が、祖父で横浜高前監督の渡辺元智氏に感謝の気持ちを伝えると、出席した渡辺氏は「渡辺佳明として巣立っていってもらいたい」とエールを送った。

 背番号が「48」に決まった渡辺は「開幕1軍を目指して頑張ろうという気持ちが湧いてきました。楽天球団には渡辺という選手がとても多いので、48番は渡辺佳明だと言われるように愛着を持っていきたいと思います」と所信表明。感謝の気持ちを伝えたい人を問われると、「自分は小さい頃から野球を教えてもらったおじいちゃんに『ありがとう』と言いたいです」と話し、「プロ野球選手という小さい頃からの夢を叶えられて、小さい頃から野球を教えてくれたおじいちゃんの目の前で入団会見ができ、とても嬉しいです。これからしっかりやっていかないといけないなと思いました」と表情を引き締めた。

 会場にはその“おじいちゃん”の姿もあった。選手の家族も出席した会見場の一番後ろから孫の晴れ姿を見守った渡辺氏は「正直に言って、感無量ですよ」と目尻を下げた。横浜高の監督として甲子園春夏5度の優勝に導いた渡辺氏は、渡辺佳が横浜高や明治大への進学を希望した際に「無理だ」と突き放したこともあったという。「他の選手には諦めるなと言ってきたが、佳明だけには『無理だ、無理だ』と。でも、本人がダメでもトライさせてくれと、そういう気持ちできましたので、本当に自分の力でここまでたどり着いたと思いますよ」と感慨深げに話した。

アピールポイントは「三振しないというところ」

 自ら道を切り開き、夢の舞台にたどり着いた渡辺佳は、アピールポイントは「三振しないというところ」ときっぱり。渡辺氏も「4年間、明治大の試合を観させてもらいましたけど、高校時代と変わらず、バットコントロールがいいのかなと思う」と三振の少なさを評価し、「自分の持っている個性を最大限に伸ばし、チームのためになる選手になってもらいたい」と期待。これまで松坂、筒香など多くの教え子をプロに送りだした名将は「私の孫ということではなくて、渡辺佳明として巣立っていってもらいたい」と、厳しい世界へ飛び込む孫へ、エールを送った。

 渡辺佳は「早く1軍に行って、おじいちゃんを仙台に招待したいです」と“おじいちゃん孝行”に意欲。そのためにも一流選手たちから学んでいくつもりだ。

「浅村(栄斗)さんが来られましたし、いい二遊間の人たちが集まっていると思うので、守備の面で一流の人から技術を学んだり盗んだりして、レギュラーになれるように頑張っていきたいと思います。明治大学の大先輩の星野(仙一)さんのように熱い闘志を燃やして、首位打者を目標に頑張っていきたいと思います」。

“渡辺監督の孫”から楽天の渡辺佳明へ――。おじいちゃんへの感謝を胸に、その第一歩を踏み出した。(高橋昌江 / Masae Takahashi)

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