パン店、食堂とコラボ展 12月16日まで 諫早造形研究室 調理やアート制作の過程表現

 諫早市で人気のパン店「蓮三(れんぞう)」(川床町)と飲食店「山勝食堂」(永昌東町)を会場にした異色の“コラボ”展「蓮三・山勝展」が開かれている。企画、出品したのは「諫早造形研究室」(同町)の生徒10人と講師4人。「ものづくり」という共通項を持つ3者が製造や調理、アート作品を作り出すそれぞれの「過程」を披露。学生たちは「異なるジャンルの店にそれぞれの要素を持ち込み、面白さや発見が生まれた。作品を完成させるまでに考えたり、感じたりしながら制作していることを知ってほしい」と話す。
 同研究室は1989年設立し、美大などの受験を目指す生徒が学ぶ。今回、油彩や彫刻、デザインなど約50点の創作状況を交え、2会場で展示。生徒が両店で取材したパンや定食の製造、調理過程を写真で紹介し、アート作品が完成するまでの軌跡と対比させたのが特徴。
 パンの生地作りから成形して焼き上げる工程とともに、デッサンなどの題材を観察、模様や構図に悩みながら仕上げた様子を段階的に展示。蓮三では、食堂のメニュー風に作品と作者名を並べたり、山勝食堂の玄関ガラスに店主の姿を描いたり、生徒たちの遊び心もあふれている。
 同展は12月16日まで(山勝食堂は月曜定休。臨時休業あり)。

アート作品とパンづくりの過程がそれぞれ展示されている「蓮三・山勝展」=諫早市、山勝食堂
「蓮三・山勝展」を企画した諫早造形研究室の生徒たち=諫早市、パン工房蓮三

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