カノーに「ニューヨーク復帰」の可能性 メッツが獲得を検討か

ジェリー・ディポートGMによるロースター再編の一環としてトレードで放出されることが噂されているロビンソン・カノー(マリナーズ)。MLBネットワークのケン・ローゼンタールによると、ディポートはカノーの放出に前向きであり、ニューヨークに本拠地を置く2球団(ヤンキースとメッツ)との交渉が行われているという。MLB公式サイトのジョン・ポール・モロシによると、メッツが最も積極的だというが、MLB公式サイトのマーク・フェインサンドはマリナーズはまだカノーにトレード拒否権の破棄について問い合わせをしていないと報じており、トレードの成立が迫っているわけではないようだ。

メッツはカノーの巨額な残り契約(5年1億2000万ドル)を引き受ける代わりに、クローザーのエドウィン・ディアスまたは正右翼手に成長したミッチ・ハニガーをカノーとともに獲得することを目論んでいるようだ。場合によっては、マリナーズにカノーの残り契約の一部分を負担することを要求する可能性もあるだろう。

しかし、現在36歳のカノーは、薬物規定違反により80試合の出場停止処分を受けたとはいえ、今季も出場80試合で打率.303、10本塁打、50打点、OPS.845とキャリア平均に匹敵する好成績を残しており、「不良債権」として安売りしてしまうには惜しい存在である。契約終了時には40歳を過ぎていることを考えると、マリナーズとしては放出可能なタイミングで放出してしまうのがベターなのかもしれないが、ディアスやハニガーのような主力選手を抱き合わせで放出したり、残り契約の一定割合を負担したりしてまで無理に放出する必要はないように思われる。

ディポートがどうしてもカノー放出に固執するのであれば話は別だが、そうでないのであれば、よほど魅力的なオファーがない限り、引き続き打線の中軸を任せるのがベターな選択肢だろう。仮にマリナーズが2年間で戦力の整備を終えたとして、そのときにカノーはまだ38歳。二塁を守り続けるのは難しいかもしれないが、好打の一塁手ないし指名打者としてチームに貢献できる可能性は大いにある。

巨額の契約のせいで「不良債権」のように扱われがちなカノーだが、平均以上の守備力を持った好打の二塁手として、まだ数年は活躍が期待できる。その点を正しく評価せず、マリナーズの足元を見るようなオファーを提示し続ける限り、カノー獲得を目指す球団がトレード交渉を成功させることはないだろう。

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