ガスリー、ホンダと経験豊富なレッドブルF1のタッグに期待「競争力の高いPUを作れるはず」

 2019年よりレッドブル・レーシングのドライバーとなるピエール・ガスリーは、12シーズンにわたってルノーのパワーユニット(PU)を搭載し続けたレッドブルが来年からホンダPUに変更することで、よりエキサイティングなシーズンを送れるだろうと語った。

 ガスリーは2018年シーズン、姉妹チームのトロロッソでホンダPUを搭載したマシンをドライブしてきた。そのため、ホンダPUに関していくらかの知識を有している。

「今回のエンジン変更プロジェクトはすごく正しいことだと思っている。関係者たちがかなり献身的に努力を続けているところを見ているよ」と、ガスリーはイギリスのSky Sports Newsに対して語った。

 今のところ、メルセデスやフェラーリなどのトップクラスのパワーユニットと比べると、ホンダはまだパワーの面で劣っている。だがガスリーは「ある時点になればその差は縮まってくるはずだ」と話し、今の状態は長くは続かないと考えているようだ。

「彼らにもう少し時間を与えるべきだと思う。レッドブルには蓄積された経験があるから、非常に強い両者の力を合わせれば、2019年シーズンはとてもわくわくするシーズンになるはずだ」

「ホンダを迎えることでプロジェクトがどう進展するのか見ていく必要があるけれど、僕はすごく面白いものになっていくと思う」

「今シーズンの終盤、レッドブルは何度も優勝を狙って戦った。マックス(フェルスタッペン)はメキシコGPで優勝したし、ブラジルGPでも勝てていたはずだった」

「明らかにパッケージは機能しているよ。勝てるマシンさえあれば、彼は頂点に立てるはずだ」

■F1フル参戦2年目を迎えるガスリー「学ぶべきことは多い」

 上述のガスリーの発言は、フェルスタッペンにとっては良い知らせのように聞こえる。だが、ガスリー自身はどうなのだろうか?

 現在22歳のガスリーは、新たなチームメイトより1歳半年上だ。しかしフェルスタッペンがこれまで81レースを走ってきたのに対して、ガスリーはわずか26レースしか戦っていないことを考えれば、2019年シーズンのレッドブル・ホンダのラインアップにおいて、どうしてもガスリーの方が下位に位置づけられてしまうだろう。

 まだ学ぶべきことは多いと、ガスリー自身も認めている。2019年は事実上のセカンドドライバーだと自ら認めるつもりはないものの、F1のトップグループに加わった以上、そのレベルに追い付くためにやらなくてはいけないことが山ほどあるのだという。

「F1ではまだ、2シーズン目に入るところだ。学ぶべきことは多いし、自分自身を成長させていかなければいけない」

「だけど吸収するのは早いんだ。自分の技術と特性を最大限引き出す必要があるし、改善が求められるあらゆる部分で努力しなければならないと思っている」

「マックスにどこまで肩を並べて走れるのかを見極めたい。彼は今のF1で最も才能あるドライバーのひとりだ。競争力の高いドライバーと張り合えるのはいつだって良いことだよ」

「彼と同様、僕も戦うべき場所にいることが大事だと思っている。できるだけ彼にとって脅威となるような走りをしたいし、ドライバーとして可能な限り成長したい。来年になれば結果も分かるよ」

 元F1ドライバーであり、Sky SportsでF1の評論を行うマーティン・ブランドルはガスリーについて、2019年はメディアに取り上げられて目立つ機会が増えるだろうが、それに耐えてほしいと期待している。

「彼は非常に手堅い仕事をすると思う。間違いなく速く走れるはずだが、問題はそのスピードを、上位3チームが要求するように一貫して発揮し続ける力があるかどうかだ」

「彼はもう順位表に載らないような週末を送ることはできないのだ。一日中、毎日、そしてすべての週末で、全力を出し続けなければならない。ピエールにそれができるかを注目していきたい」

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