マリナーズがカワート獲得 「二刀流」での起用を検討か

ウィンター・ミーティング初日、マリナーズのジェリー・ディポートGMはエンゼルスからウエーバーでケイレブ・カワート内野手を獲得するにとどまったが、この動きが少なからず球界に驚きをもたらした。なぜなら、カワートの獲得を発表したマリナーズがカワートを「内野手兼投手」として紹介したからだ。マリナーズは高校時代に好投手として活躍したカワートを「二刀流」で起用する計画を立てているようだ。

現在26歳のカワートは、メジャー4年間で通算162試合に出場しているが、守ったポジションは出場試合数の多い順に三塁(102試合)、二塁(59試合)、一塁(6試合)、遊撃(5試合)、左翼(4試合)の5つだけ。マイナーではこの5ポジションに加えて右翼での出場経験もあるが、投手としての出場機会は1度もない。それも当然であり、高校時代に投手として活躍したカワートは、プロ入りする際に野手一本で勝負することを選択したのだ。

メジャーでは内外野の5ポジションをこなし、ユーティリティ・プレイヤーとして一定の出場機会を得ているカワートだが、通算打撃成績には345打数61安打(打率.177)、6本塁打、OPS.534と寂しい数字が並んでいる。今季もAAA級では打率.287、6本塁打、OPS.791をマークしたが、メジャーの投手には打率.134、1本塁打、OPS.451と全く歯が立たなかった。カワートは直近の6週間にわたってエンゼルスの投手プログラムに参加しており、それも踏まえてマリナーズはカワートを投手を含めた「スーパー・ユーティリティ」として起用することを検討しているようだ。

三塁と二塁を中心に内野の4ポジション、外野の両翼、さらには投手として敗戦処理までこなすことのできる選手がいれば、ロースターには大きなフレキシビリティが生まれることになる。今季はレイズの「オープナー」本格採用など、選手起用に新たなトレンドが生まれたシーズンだったが、マリナーズもロースター枠のフル活用に向けて動き始めたようだ。

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