森川・昭和電工社長兼CEO、電炉用電極の原料価格連動方式導入に理解も「時期尚早」

 昭和電工の森川宏平社長兼CEOは11日、電炉用黒鉛電極の販売価格を原料価格などに連動させる「フォーミュラー方式」が一部で導入され始めたことについて、「できればよいと思う」と述べ、同方式の導入に理解を示した。一方で、電極の需給が足元でひっ迫している点を指摘し、「(顧客である電炉メーカーが)数量確保を優先しているのが現状。需給が安定化するまでは、導入できる状況ではない。時期尚早だ」と語り、昭和電工としては当面、導入の考えはないと強調した。

 同社の中期経営計画の発表記者会見で語った。森川社長兼CEOはフォーミュラー方式について「(浸透すれば)みんながハッピーになる」とし、電極メーカーのみならず、電炉メーカーにとっても望ましい方式との認識を示した。

 ただ、導入時期については慎重な見方を崩さなかった。中期計画の期間中(2019~21年)は難しいとし、「市況が落ち着いてきたら検討したい」と述べるにとどめた。

 電極のフォーミュラー方式をめぐっては、国内大手の東海カーボンが来年1月から、一部顧客との間で導入する方向。世界最大手の昭和電工が当面追随しないことで、同方式の浸透にはまだ時間がかかる見通しだ。

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