大陸別の王者が集うFIFAクラブワールドカップが12月12日~22日にUAEで開催される。
今回はCL3連覇を達成したレアル・マドリーの他、アジア王者として鹿島アントラーズも参加する。両者は日本で開催された2016年大会の決勝でも顔を合わせているが、中東の地で再び相まみえることになるだろうか。
そこで今回は『Transfermarkt』を参照とし、大会に出場する7チームでそれぞれ最も市場価値の高い7名の選手をご紹介しよう。なお、同額となった場合は年齢の若い選手を優先することとした。
マルクス・ベリ(アル・アイン#9)
評価額:450万ユーロ(およそ5.7億円)
開催国枠として出場するアル・アイン。近年はJリーグからドウグラス(現清水)、元鹿島MFカイオ、元広島DF塩谷司を補強していることでもお馴染みだろう。
そんなチームで一番の評価額を得たのが、今夏のW杯にスウェーデン代表の「9番」として出場したマルクス・ベリ。
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代表でズラタン・イブラヒモヴィッチともコンビを組んだFWは、オランダ、ドイツ、ギリシャの名門クラブでプレーした経験を持つ32歳のベテランだ。
彼はギリシャで得点王を獲得した翌シーズン、3倍以上の年俸を提示されてアル・アインへ。1年目でいきなり得点王に輝くと、2年目となる今季も12試合10ゴールを記録しており、チームの得点源となっている。
アンガス・キルコリー(チーム・ウェリントン#16)
評価額:30万ユーロ(およそ3,800万円)
OFCチャンピオンズリーグで3シーズン連続で準優勝に終わっていたチーム・ウェリントン。
しかし今年、ついに大会7連覇中だったオークランド・シティを決勝で撃破し、悲願のクラブワールドカップ出場権を手にした。
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ただニュージーランドにはプロリーグがなく、国際的な選手は皆無。評価額の1位には5人が並んだが、その中で最も若かったのが22歳のアンガス・キルコリーだ。
リトアニアでプレーした経験を持つ186cmの長身ストライカーは、OFCチャンピオンズリーグで8試合8ゴールを記録し、クラブを初優勝に導くとともに大会の得点王に輝いた。
今回、世界が注目する舞台でどこまで通用するのかを確かめたいところだろう。ちなみに現在は大学で国際経営学を専攻しているとのこと。
昌子源(鹿島アントラーズ#3)
評価額:350万ユーロ(およそ4.5億円)
2016年のクラブワールドカップで世界を驚かせた鹿島。この時は開催国枠での出場だったが、今回はアジア王者として堂々の参加となる。
そんなチームにはGKクォン・スンテ、レオ・シルバ、セルジーニョ、レアンドロといった能力の高い外国人選手も在籍するが、彼らを抑えて評価額で1位となったが主将を務める昌子だ。
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ワールドカップで吉田麻也とセンターバックのコンビを組み、大きな飛躍を果たした昌子。大会後のリーグ戦で負傷し3か月近く離脱していたものの、復帰後、その影響を見せることなくクラブ初のACL制覇に貢献した。
彼の細部まで気遣いが行き届いた守備は芸術レベルに達しており、職人芸と言っていい。12日に発表された日本代表には残念ながら選ばれなかったが、鹿島で最後になるかもしれないこの大会で「国内最高のDF」であることを誇示したいところだ。
なお、評価額の2位には土居聖真が175万ユーロ(およそ2.2億円)で続いている。
タハ・ヤジーヌ・ヘニシ(エスペランス#29)
評価額:130万ユーロ(およそ1.6億円)
CAFチャンピオンズリーグ決勝でエジプトの雄アル・アハリを下し二度目のクラブワールドカップ出場を決めたエスペランス。
2011年に初出場した時は、左利きのウサマ・ダラジが日テレから猛プッシュされたが、今回はフランス生まれのドリブラー、アニス・バドリに注目したいところ。切れ味鋭いドリブル突破に加えて得点力に優れており、彼がどれだけ打開してくれるかがエスペランスの生命線になりそうだ。
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ただ評価額では、僅かな差でタハ・ヤジーヌ・ヘニシが1位となった。
エスペランスの下部組織で育成されたストライカーは、2012年に移籍したスファクシャンでブレイクを果たしチュニジア代表に選出。その後にエスペランスへと戻り、チームに欠かせない存在となった。
体格的には特に優れていないものの、動きの良さが武器。スペースへの入り込みや飛び出し、縦パスの引き出しなどを得意としている他、体も張れる。
国内のリーグ戦ではここ4試合3ゴールを記録しており、大会でも期待ができそうだ。
オルベリン・ピネダ(チバス・グアダラハラ#7)
評価額:500万ユーロ(およそ6.4億円)
2006年以来、13大会連続でのクラブワールドカップ出場となるメキシコ勢。
メキシコ勢のクラブワールドカップといえば、クラブ・アメリカやモンテレイがお馴染みだが、彼らが有力な外国人を揃える傭兵部隊として名高いクラブなら、全く対照的にメキシコ人だけで構成されるチームとして知られるのがこのチバスだ。
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それだけに傑出した個人の力を持つ選手はいないものの、ちょうどメキシコ代表のように彼らの特性を生かした組織的なチームであり、それがこの国際舞台でどのような戦いを見せてくれるのか注目したい。
そんなクラブには、かつてPSVに所属した38歳のDFカルロス・サルシド、代表でも活躍したアラン・プリドといった選手も控えるが、評価額で1位となったのはオルベリン・ピネダ。
お兄さんもプロサッカー選手という25歳の彼は、ユース代表、A代表で活躍した経歴を攻撃的MFで、かつてはポルト移籍も報じられたことも。狭いエリアをいとも簡単に潜り抜けるドリブルは必見だ。
マルコ・アセンシオ(レアル・マドリー#20)
評価額:9,000万ユーロ(およそ115.7億円)
前人未到のCL3連覇を達成し、クラブワールドカップに3年連続での出場となるレアル・マドリー。ロナウド退団に揺れたチームは今季なかなか調子が上がらないが、この大会を契機に勢いを取り戻したいところだろう。
そんなチームで注目されるのは、FIFA年間最優秀選手とバロンドールを同時受賞しメッシ・ロナウド時代に風穴を空けたモドリッチになるだろうが、評価額1位で並んだのはベイル、イスコ、アセンシオの3人。その中で最も若いのが22歳のアセンシオだ。
マジョルカ島で生まれた彼は、同郷の世界的テニス選手ラファエル・ナダルの進言で2014年12月にレアル・マドリーへ加入。エスパニョールで1年の修業期間を経て、2016-17からレアルで存在感を増し続けている。
サッカー選手に必要なほとんどのものを有する彼は、将来のバロンドール候補として大きな期待を集めている。2017年1月に記録した「70メートルゴール」は大きな話題となった。
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ちなみに母親はオランダ人。マジョルカ時代には家長昭博(現川崎F)とも一緒にプレーした経験がある。家長によれば、当時高校生だったアセンシオは、いい意味での「サッカー馬鹿」だったそう。
ゴンサロ・マルティネス(リーベル・プレート#10)
評価額:1,500万ユーロ(およそ19.3億円)
暴動による延期で大きな騒動となったものの、直前に行われたボカとのリベルタドーレス決勝を制したリーベル。
チームには今夏のワールドカップで日本代表から技ありフリーキックを決めたコロンビア代表MFフアン・キンテーロ、Jリーグ入りも囁かれるアルゼンチン代表MFエンソ・ペレスなどもいるが、評価額で1位となったのは“ピティ”の愛称で知られるゴンサロ・マルティネスだ。
2015年にリーベルへ加入し、栄光の「10番」を背負う25歳の小柄な攻撃的MFは、スピード、左足のテクニックを武器にアシスト能力に優れ、ガジャルド体制の中心的な存在となっている。
特に今年は飛躍の年となり、9月にアルゼンチン代表デビューを飾ると、ボカとのリベルタドーレス決勝戦では延長ATに3点目を決め、大会の最優秀選手にも輝いた。
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ただ先日、今年限りで退団することを発表。アルゼンチン人指揮官タタ・マルティノ監督のもと参入2年目で優勝を成し遂げたMLS・アトランタ・ユナイテッド行きが近いとされている。
このクラブワールドカップがおそらくリーベルでの最後の試合となるが、有終の美を飾れるだろうか。