金属行人(12月13日付)

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 「12月に値下がりとは珍しい!」―関東鉄源協同組合による12月契約の鉄スクラップ輸出入札が前月比で大幅下落となり、業界内でちょっとした話題になった。11月以降の市況急落を反映した結果で、値下がり自体は織り込み済み。だが〝12月は上がる〟とのジンクスがあっただけに驚きにつながった▼調べると、12月契約の値下がりは13年ぶり。12月上昇説が語られたのもうなずけよう。冬の季節要因で海外市況が堅調なことが多いためとみられるが、今年の鉄スクラップ市況は国内需要の堅調で〝国内高・輸出安〟が続いた。内外価格差の修正が遅れたことで、異例な〝12月下落〟になったのではないか▼市況が下げに転じた直後、一部電炉が設備事故で荷受け止めとなったことも下落に拍車を掛けた。加えて、関東鉄源協同組合で10月契約の入札が不調となり、その後の船積みが低調だったことも関東市況の下げを強めた要因に挙げられた▼もともと同組合の共同輸出は、発生余剰となった関東地区の需給調整を目的に始まった。このため、毎月の入札は多少価格が安くとも〝犠打〟の精神で落札し、安定的な船積みで全体の市況維持に貢献するのが本来の在り方という。14年ぶりだった今回の入札不調が市況にどう影響したか。しっかり考えてみたい。