厚板溶断の玉造、最新鋭ファイバーレーザ稼働 加工精度、生産性向上

 北海道地区厚板溶断業大手の玉造(本社・札幌市、社長・西村孝治氏)は13日、恵庭工場で新規導入した6KWファイバーレーザなど溶断機3機種の起動式を行った。新設備の稼働で生産性や品質がさらに向上し、顧客ニーズへの対応を充実させるとともに、省人・省力化で従業員の働き方改革への貢献も期待している。

 稼働したファイバーレーザ「ファイバーテックス4360Z」は、4基ある4KWのCO2門型レーザ切断機の1基を入れ替えたもの。導入に際しては小池酸素工業がさまざまな独自技術を開発し、ガスコントロール機能やミスト機能を付加。発振器と冷却装置を機体上に搭載して長手方向に56メートルの定盤上を移動可能にし、国内高炉のSN材を板厚19ミリまで、長時間の連続安定切断を実現した。

 また、9月には小池酸素工業のNCガス切断機「ユニテックス4500D」とNCプラズマ切断機「テクノグラフ4500Z・スーパー400プロII」(400A)も従来機(200A)と入れ替え能力を増強。これにより恵庭工場ではレーザ切断機4基のほか、ガス切断機3基で年間4千~5千トン、プラズマ切断機1基で2直体制により同4千トンを加工し、高品質・短納期対応で供給責任を果たす。加えて一連の設備能力向上により、無人・無監視化による現場作業の軽減も両立させ、従業員の働き方改革を推進する。

 同社は、昨年度からBCP5カ年計画を進めており、総額5億円の投資も順次実施。起動式では、西村社長が「これを機に長時間労働の是正や安全と健康に配慮した環境づくりに努めるとともに、お客様に高品質・高精度の製品を提供し、持続的支持を受ける企業を目指したい」と挨拶した。また、小池酸素工業の小池康洋社長は「ともに技術開発に取り組み今日に至った。今後も協力し安定生産やメリットの追求に努めたい」と語っていた。

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